3.核の後始末
 旧ソ連の解体により、世界情勢は核軍縮の方向に進んできているものの、新たに核拡散の問題が生じている。
 旧ソ連全体では、約2万7千発の核弾頭がロシア・ウクライナ・カザフスタン・ベラルーシの4か国に配備されていた。1991年12月のミンスクでの独立国家共同体(CIS)首脳会議で、旧ソ連の核兵器はCISが一元的に管理する、核兵器の使用については、ロシア大統領が核兵器が配備されている各共和国と協議して決定する、など核兵器管理について合意した。しかし、ロシアを除く3か国に配備されている戦略核兵器は廃棄されることになっているが、その廃棄方法・検証方法をめぐって対立が続いている。また、旧ソ連諸共和国の経済的困難が増大するにつれて治安が悪化し、それに伴って核兵器の安全管理が西側諸国の懸念を招いており、第3国への売却や核技術者の流出による技術移転など、核兵器拡散の問題が生じている。
 また、核実験場・核工場の放射能汚染除去や大量に残された核燃料、放射性廃棄物の補完・解体・廃棄などには、開発に費やした年月と経費をはるかに上回るものが必要となる。特に、何万年以上にもわたって放射能を持ち続ける放射性廃棄物の管理は、タンクの腐食による放射能漏出や爆発が懸念され、最も深刻な問題となっている。
 人類は、莫大な費用をかけて核兵器を製造し、それを上回る莫大な経費をかけて廃棄しているのである。
ロッキーフラッツ核工場(米コロラド州) 写真提供/NHK
かつて核兵器部品の製造工場だったロッキーフラッツは、今、工場閉鎖に向けて作業中。閉鎖・解体に伴う膨大な放射性廃棄物をドラム缶に詰めて保存。写真はドラム缶の山。