非核地帯とは一定の地域や空間を限って、その地域内における核兵器の製造・実験・配備を禁止するとともに、地域外の核保有国のその中での核実験・配備・使用を禁止するものである。
 非核地帯は、条約によって設置されるもので、1959年の南極条約が最初で、定住者のいない地域では1967年の宇宙条約、1971年の海底非核化条約と続いた。また、定住者がいる地域では、キューバ危機をきっかけに、中南米から核戦争の脅威を除こうとした1967年のラテンアメリカ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約)が最初で、1985年には太平洋諸国が南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)を締結した。
 東西冷戦制の終結により、非核地帯設置の動きが広がりを見せ始め、新たに1995年に東南アジア非核兵器地帯条約が、1996年にアフリカ非核兵器地帯条約(ペリンダバ条約)が締結された。これに伴い南半球はほぼ全域が非核地帯で覆われることになった。
 非核地帯条約を実効性のあるものとするためには、当該地域の国々だけでなく、核保有国の条約への参加が不可欠である。
広がる非核地帯
南極条約 1959.12
署名
南緯60度以南の地域におけるすべての核爆発及び放射性廃棄物の処分を禁止するもので、42か国が署名=批准。核保有国は5か国すべてが議定書に署名=批准。
ラテンアメリカ核兵器禁止条約
(トラテロルコ条約)
1967.2
署名
条約適用範囲内の33か国すべてが署名(うち32か国が批准)。核保有国は5か国すべてが議定書に署名及び批准。
南太平洋非核地帯条約
(ラロトンガ条約)
1985.8
署名
オーストラリア、ニュージーランドや地域の島しょ国でつくる政府間組織「南太平洋フォーラム(SPF)」構成14か国及び2地域のうち11か国及び2地域が署名(うち10か国及び2地域が批准)。核保有国は5か国すべてが議定書に署名。
東南アジア非核兵器地帯条約 1995.12
署名
東南アジア諸国連盟(ASEAN)の10か国が署名(うち8か国が批准)。核保有国は5か国すべてが議定書に署名していない。
アフリカ非核兵器地帯条約
(ペリンダバ条約)
1996.4
署名
アフリカ統一機構(OAU)加盟53か国のうち49か国が署名(うち2か国が批准)。核保有国は5か国すべてが議定書に署名。