本財団は、昭和63年(1988年)度から中国人民平和軍縮協会(略称―平縮会)と代表団の相互訪問を行っており、
昨年度は本財団が坪井直理事(現評議員)を団長とする第11回広島市民平和友好訪中団を結成し、中国を訪問しました。
訪中団は、平成23年(2011年)3月14日(月)から18日(金)までの5日間、北京市に滞在し、平和を訴える様々な活動を行いました。
15日(火)
一行はまず北京市内の歴史施設を視察しました。
その後、IPPNW中国支部(中華医学会)を訪問し、
同医学会の刘智(Liu Zhi)部長、司文(Si Wen)項目主管と、
核兵器廃絶、さらには世界恒久平和の実現に向けた協力関係の構築のための協議を行いました。
また、片岡勝子理事(現評議員)から、平成24年(2012年)に広島市で開催されるIPPNW世界大会への協力要請も行いました。
16日(水)
北京外国語大学を訪問し、北京日本学研究センターの郭連友(Guo Lian You)教授及び約25名の学生に向け、
本財団被爆体験証言者の池田精子さんが体験を語り、
北川建次評議員(現理事)は、約20年前、北京外国語大学で教鞭をとっていたことや、自らの被爆体験、現在の活動を交えて、平和の大切さを訴えました。
続いて、学生たちと意見交換を行いました。
学生からは、「核戦争の悲惨さを改めて実感した。被爆二世への影響が心配。原爆を投下したアメリカを恨まないのか。原子力発電には反対はしないのか。」といった意見や質問が出されるなど、次代を担う若者に被爆の実相を訴えるよい機会となりました。
次いで、日中戦争の歴史を振り返り、その不条理さや戦争被害の悲惨さを今に伝える中国人民抗日戦争記念館を訪問し、
旧日本軍が中国各地で行った非人道的な暴力の実相や、中国の人々が受けた苦しみ、悲しみについて理解を深めました。
17日(木)
平縮会の陳杯凡(Chen Huaifan)副秘書長ほか関係者と、核兵器廃絶や世界恒久平和の実現に向けて今後両団体が果たすべき役割などについて協議しました。
訪中団からは、中国国内での自治体への平和市長会議加盟呼びかけ、「2020ビジョン」の展開、「広島・長崎講座」の開設、原爆展の開催への協力要請などを行いました。
これに対し、陳杯凡・副秘書長は、日中両国が平和友好関係を構築するには相互理解の促進が重要であり、両団体の交流はまさに市民レベルで大きく貢献できるとその意義を述べられました。
続いて、本財団や平和市長会議に関する要請事項に対しても、その実現や更なる進展に向けて引き続き努力していきたいとの回答をいただきました。
最後に、今回の訪問を機に両団体の交流をさらに活発化させ、今後とも、両団体が中国と広島の市民レベルでの交流と相互理解を促進することを通して、核兵器廃絶のため努力していくことで合意しました。
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