第9回平和首長会議理事会及び原爆展開設式典への出席
平和首長会議(会長 松井一實(かずみ)広島市長)は、昨年11月、副会長都市であるベルギー・イーペル市で第9回平和首長会議理事会を開催しました。 また、この渡欧の機会に、松井市長は、オーストリア・ウィーン市にある国連ウィーン事務所での原爆展開設式典に出席したほか、イギリスのマンチェスター市及びロンドン市を訪問し、関連行事への出席や市長等との意見交換を行いました。

松井市長の主な用務
11月11日(水)

  理事会に先立ち、イェフ・ファースコーレ イーペル市副市長に面会し、2012年にイーペル市に贈った被爆樹木のイチョウの苗木について説明したプレートを贈呈し、市民の皆さんと平和への思いを共有していただきたい旨を伝えました。

11月12日(木)、13日(金)
平和首長会議理事会
  第9回平和首長会議理事会を開催し、11の役員都市が出席して今後の取組等について議論しました。
  1日目は、2020年までの核兵器廃絶を求める行動指針「2020ビジョン」について、目標の1つである「2015年までの核兵器禁止条約の締結」のうち、「2015年まで」の文言を削除した上で、継続して取り組むことにし、今後、集中して取り組む事項として、 @ 核兵器の人道的影響とリスクに関する啓発活動、 A 各国為政者への被爆地訪問の要請、 B 加盟都市を2020年までに1万都市とすること、 C 青少年交流を通じた被爆の実相の継承、 D 広島事務局へのインターン招聘(しょうへい)などを決定しました。
  また、核兵器廃絶に向けた活動に加え、平和首長会議規約第三条の規定に沿って、貧困・難民・気候変動等の緊急課題にも取り組むこととしました。 併せて、次回総会を2017年に長崎市で開催すること、また、次々回総会は1年前倒しして2020年に広島市で開催することを確認しました。
  2日目は、国連公開作業部会への参加を各国政府に対して要請すること等を盛り込んだ決議文を採択して理事会を閉会しました。
  また、理事会に続いて2020ビジョンキャンペーン協会役員会を開催しました。 2007年11月にイーペル市に協会の事務局が設置され、以後、キャンペーンの国際的な展開を同市が推進してきましたが、各地域のリーダー都市を中心とする地域グループ化の推進に伴い、広島事務局にその所管を移すことにしました。

11月14日(土)
  平和首長会議リーダー都市として積極的な活動を展開しているマンチェスター市を訪問し、ポール・マーフィー市長にリーダー都市認定証を手交するとともに、英国・アイルランド地域における一層の強力なイニシアティブを発揮してもらうようお願いしました。
  続いて、同市が取り組んでいる「プロジェクトG」の記念行事に出席しました。 この取組は、同市内の小学校を対象に、平和に関する絵と詩のコンテストを実施し、優秀校に広島の被爆樹木のイチョウを贈り、育ててもらうもので、若い世代の平和意識の醸成を図ることを目的としたものです。

11月16日(月)
  英国国会議事堂内の貴族院会議室において、両院議員や英国の加盟都市市長等約50人を前に、広島の被爆前後の様子、復興の道のり、平和首長会議の活動についてプレゼンテーションを行った後、会場との活発な意見交換を行いました。
  その後、ロンドン市エドワード・リスター副市長を訪問し、平和首長会議の活動を説明した上で、核保有国である英国の市民と対話を重ね、核兵器に依存しない平和な世界の実現について共に考えたいと述べました。 リスター副市長は、同市も平和首長会議の活動に協力する旨を述べられました。
  その他、11月13日にパリ市で同時多発テロが発生したことを受け、26の平和首長会議役員都市との連名による声明文を全加盟都市に送付し、このメッセージを各国政府や市民社会に広く伝えてもらうよう依頼しました。

11月17日(火)
  フランツ・プロコップ ウィーン16区(オッタクリング)区長を訪問し、広島市から贈られた被爆石を用いた平和モニュメントの前で、同区長や市民交流団体の歓迎を受けました。
  続いて、セバスチャン・クルツ オーストリア外務大臣と面会し、「人道の誓約」など同国が核兵器の非人道性に焦点を当てた議論を牽引(けんいん)していることに謝意を述べました。 クルツ大臣は、引き続き政府として、核兵器のない世界の実現に取り組むと約束されました。
  また、国連ウィーン事務所で行われた原爆展開設式典へ出席しました。 今回の展示は、ニューヨーク国連本部、欧州国連本部に続くもので、式典会場は100人以上の参加者とメディア関係者で埋め尽くされ、関心の高さが(うかが)われました。 松井市長は挨拶の中で、この展示を多くの各国政府や国際機関の指導者に見てもらい、絶対悪である核兵器をこの地球上からなくすよう最大限の努力をしてほしいと訴えました。

平和首長会議の今後の取組
  この度の理事会における意見交換や議論を通じ、リーダー都市のイニシアティブに基づく地域
原爆展開設式典でスピーチする松井市長
グループ化が確実に進んでいることが確認でき、今後の活動のさらなる活発化に手ごたえを感じました。 各リーダー都市との連携をこれまで以上に緊密に図りながら、今後とも、平和首長会議のネットワークを最大限活かし、核兵器禁止条約締結への流れを加速するための取組とともに、被爆の実相と被爆者のメッセージを「広め、伝える」取組を積極的に展開していきます。

(平和連帯推進課)

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