平和記念資料館には235人のヒロシマ ピース ボランティアが在籍しており、館内の展示解説や平和記念公園及び周辺の慰霊碑等の解説を通じて、広島を訪れる修学旅行生をはじめ来館者の方々の平和学習を支援し、被爆体験継承の推進に取り組んでいます。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当館が臨時休館に入った2月29日から活動を休止していました。
活動の場を失い、さらには再開の見通しが立たずボランティア同士で顔を合わせることもできない状況が続く中、オンラインを活用して交流できるのでは、という声がボランティアの間からあがりました。
そこで、4月から職員を交えてオンラインミーティングが始まりました。
最初は慣れないウェブ会議システムの操作に戸惑う人も多く、接続するだけで精一杯の状況が続きましたが、回数を重ねるうちに、今年デビューする予定だった新人向けにベテランが碑めぐり解説を行う「オンライン碑めぐり」や、被爆体験伝承者と共同で「オンライン伝承講話」といった勉強会を毎週のように実施するまでになり、活動できない期間を利用してボランティア同士で学び合うことができました。
新人ボランティア向けにオンラインで碑めぐり解説を行う多賀俊介さん
6月中旬には、先輩の多賀俊介
(たが しゅんすけ)さんが新人約20人を対象に「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の解説を行い、碑の建立の経緯や生徒を案内する際のポイント等についてお話しされました。
また、「原爆の子の像」の解説を行った西村宏子
(にしむら ひろこ)さんは、「この新人さんたちと仲間となり一緒に早く活動をしたい。そしてもっと学ばなければとの思いを強くした」と印象を話されました。
こうした活動を通じて、解説のスキルや知識を磨くことができただけでなく、仲間の顔を見られてよかった、という声が寄せられています。
また、コロナ禍で移動が制限され広島に来ることができない人たち向けに、「実際にヒロシマに行ってみたい」と思ってもらえるような取組をオンラインで実施できないか検討しています。
(平和記念資料館 啓発課)