はじめに、地域日本語教室における「読み書き」の活動の目的について、具体的な事例をもとに確認しました。読むことで、より多くの情報や知識を得ることができるほか、読んだ内容について対話することで、相互理解につながったり、言葉の表現力が身についたり、語彙が増えたりすることを学びました。
続いて、「読み」の活動の基礎を学びました。学習者が読むことが難しい、苦手だと感じる原因をひも解きながら、ボトムアップ、トップダウン、相互交流モデルの3通りの読み方があることを確認しました。またワークショップを通して、読むときにスキーマ(背景知識・既存知識)を使って推測しながら読んでいること確認することができました。これらの基礎知識を踏まえて、「読み」の活動でのボランティアの役目について考えました。読み方の工夫や、学習者がすでに持っている情報や知識をもとに推測を促したり、言葉や文型の意味を示したりすることで、理解を助けることにつながることを学びました。
次に、「読み」の活動を、実際にどのように進めればよいのかについて、テキストを使いながら、すぐに実践できる活動の方法を教えていただき、練習しました。グループでの読みの活動では、学習者同士の助け合いがうまれるため、中間言語(習得途中の言語)で話す機会が増え、より楽しく効果的に日本語力をつけることができることを学びました。さらに「読み」の活動と連動した「書く」活動の進め方を、実例を交えながら紹介いただきました。
最後に、日本語教室での読み書き活動の中では、日本語の知識が身につくことのほかに、ともに共感したり、感想や意見を交換したりすることで交流が生まれることが大切であることを確認し、3時間の講義が終わりました。アンケート調査では、「とても参考になった」、「すぐに実践したい」、「グループで話し合うことで、いろいろな意見が聞けてよかった」など、満足したとの回答が多く寄せられました。
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