レポート

『JICAサロン「余熱の会 ~シニア海外ボランティア@ブータン」』レポート

広島国際会議場・国際交流ラウンジは、JICA中国との共催で、JICAサロン「余熱の会 ~シニア海外ボランティア@ブータン」を開催しました。

開催日時 2017年(平成29年)10月1日(日)14:00~15:00
会  場 国際交流ラウンジ(広島国際会議場1階)
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JICAサロンでは、JICAの海外ボランティアを経験 された方々に、派遣された国の風土や文化等を紹介し、 その国の魅力について語っていただいています。

H29年度第二回目は、シニア海外ボランティアとし て2015年から2年間、ブータンの地方農村部の生活 改善などに取り組まれた亀井且博さん(職種:衛生工学) を講師にお迎えし、お話を伺いました。

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ブータン王国(以下、「ブータン」)は、数年前に国王夫妻が来日されるなど、日本とも親交が深い国です。国土の面積は日本の九州くらいの大きさで、国の北側にはヒマラヤ、南側にはインド平原、中央部には山岳地帯があり、平地が少なく標高差の厳しい地勢となっています。そのため生物多様性に富み、16種類の世界的な絶滅危惧種の生息地であり、また世界的にも貴重な鳥類の生息地でもあります。

ブータンは古い歴史を持ちますが、王政から現在の議会制民主主義を基本とする立憲君主制に移行したのは2008年のことです。国語はゾンカ語で、教育などは公用語である英語で行われています。

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ブータンといえば、GNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)が有名です。経済発展はもちろん国のためには必要ですが、物質的な豊かさのために、精神的な豊かさや自然の大切さが損なわれてはならないという考えであり、「国民の幸福」の実現を目指す考えです。医療費や教育費が無料など、GNHの基本方針に基づいた独特の政策が行われています。一方で、IT技術の普及などに伴い急速な近代化が進んでおり、従来の伝統を重んじ精神的豊かさを大切にする政策と、いかにバランスを取りながら発展していくかが今後の課題でもあります。

そのほかにも、観光情報から交通事情に至るまで、亀井さんはそのひとつひとつを丁寧に紹介してくださいました。

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さらに、亀井さんご自身のJICAの活動についてもお話しいただきました。家屋内の空気汚染の改善と、固形廃棄物処理管理の改善および処理場建設の提案が主な活動で、屋内で木燃料を使用することで引き起こされる呼吸器疾患リスクの軽減などに取り組まれました。

実際に滞在された亀井さんからブータンのお話しを伺うことで、新たなブータンの魅力に出合うことのできる時間となりました。1時間という短い時間でしたが、参加された方々のブータンへの理解と関心がより深まるひとときとなっていればと思います。

今回はお忙しい中、貴重なお話をしてくださった亀井さん、そして、ご参加いただいた皆さまに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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JICAコーナーのご紹介

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JICA広島市/広島県デスクとして、JICAの国際協力推 進員が(公財)広島平和文化センター国際交流・協力課に常駐 しています。国際交流ラウンジには、JICAのイベントや青年 およびシニア海外ボランティアの募集案内など、様々なJICA の情報を発信する「JICAコーナー」があります。

JICAの活動にご興味のある方は、是非国際交流ラウン ジにご来館ください。

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【主催】

公益財団法人広島平和文化センター国際交流・協力課 国際交流ラウンジ

JICA中国