第10回広島平和記念資料館展示検討会議 |
次 第
1 開 会
2 議 題1 「空間および展示のあり方」について
検討資料1(P.1〜P.8)
3 議 題2 「各機能とゾーニング案」について
検討資料2(P.9〜P.11)
4 報 告 「放射線に関する展示」について
資料3
5 閉 会
資料1 |
資料2 |
資料3 |
放射線に関する展示を検討する専門家会議(医療関係者)の結果について
1 日時
平成24年(2012年)1月31日(火)13:30〜15:30
2 出席者(5名)
神谷研二 (かみや けんじ) −広島大学原爆放射線医科学研究所所長
佐々木英夫(ささき ひでお) −財団法人広島原爆障害対策協議会 健康管理・増進センター所長
津谷隆史 (つや たかふみ) −社団法人広島市医師会理事
土肥博雄 (どひ ひろお) −広島赤十字・原爆病院院長
中村 典 (なかむら のり) −財団法人放射線影響研究所主席研究員
[事務局] 平和記念資料館 前田館長、増田副館長、大瀬戸主任、落葉学芸員
[丹青社] 藤井部長
3 会議(議題「放射線に関する展示について」)での検討結果
展示検討会議の資料や具体的な展示候補資料を事務局から示した上で、本館・東館の放射線に関する展示について議論が行われた。その
結果、概ね次のような方向性が確認された。また、関連して、その他の意見があった。
[本館]
・ 急性障害については、メカニズムと症状が現れる時間的経過を分かり易く示し、なぜそのような症状が現れるかについての説明を付ける
必要がある。合わせて写真などを展示する。また、写真をサポートするものとしてカルテや被爆後の白血球や赤血球の推移など調査デー
タを組み合わせて分かりやすく解説する。
・ 後障害については、がんが展示の中心となる。現在展示している資料に加えて染色体異常を示す写真を展示すると分かりやすい。また、
さまざまな種類のがんが発症していることも展示する。胎内被ばくによる原爆小頭症、原爆白内障の展示もポイントとなる。
・ 広島市の調査もあるので原爆の精神的影響についても展示を検討する。
[東館]
・ 放影研が長年に亘り調査した疫学的な情報を基にグラフなどでがんのリスクを示したり、放射線が人体に及ぼすメカニズム、DNAや
細胞の損傷を解説するなど、より科学的な情報を提供する。
○その他の意見
・ 現在の展示では後障害の例として佐々木禎子さんの生涯を取り上げ、症状の経過を示していることは分かりやすい。
・ 急性障害の展示にも移動演劇隊「桜隊」の女優、仲みどりが亡くなった例を紹介したら良いのではないか。東大病院に記録があるはず
である。
・ 黒い雨を浴びた人にさまざまな心理的な影響が現れているが、放射線量の面では初期放射線に比べて少ない。放射線の健康影響の観点
からは展示が難しいので、黒い雨が降ったという事実を客観的に示せば良い。
・ 後障害の展示では、「原爆ぶらぶら病」など原爆の心理的ともいわれる症状についても盛り込んでほしい。
・ 入市被爆における残留放射線の影響は、いまだ科学的に捉えられていない。
・ 遺伝的影響は現在のところ見つかっていない。
・ 写真資料を多く展示できないか。