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小溝泰義 平和首長会議事務総長 メッセージ
核軍縮に関する国連公開作業部会 ジュネーブ 2016年2月22日
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議長、発言の機会をいただき感謝申し上げます。
私は本日、被爆者のメッセージを心に刻む一広島市民の立場から発言いたします。
被爆者の方々は、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という切実な願いから、言葉では表現できないほど辛い非人道的破壊の経験を世界に発信し続けてきました。
あわせて、平和首長会議の事務総長としても発言いたします。
平和首長会議は、核兵器のない世界の実現を目指して活動している国際的な非政府組織で、現在の加盟都市数は6,991都市、その総人口は10億人を越えています。
市民の安全と福祉を守るという重責を担う数多くの首長が、冷戦終結から四半世紀を経てなお、暴力が蔓延し、紛争の種が絶えない今日の世界に、推定1万6千発近くの核兵器が存在するという現実に深い憂慮を抱いています。
記録公開により、仮に意図せずとも、誤解や事故により核兵器が使われる可能性が相当に高いことが明らかになっています。
核テロの危険も無視できないものです。
こうした状況にも関わらず、国際安全保障において核抑止論がいまだに重要な位置を占めており、この政策の下、都市が攻撃の対象にされています。
この核抑止政策が失敗すれば、都市に住む住民が再び犠牲者となります。
その人道的影響及び環境面での影響は、過去よりもさらに大きなものとなるでしょう。
核抑止政策は、都市に住む市民に対して何の説明もなく進められてきたという点において、到底受け入れられないものです。
いわば核抑止論は信任なしに進められてきた政策であり、都市に住む人々は発言権のない人質として核兵器の脅威にさらされてきたと言えます。
だからこそ我々平和首長会議は、こうして声を上げる責任を感じているのです。
たった一発でも核兵器が使用された場合の壊滅的な影響を考えれば、この恐ろしい兵器の廃絶には、全ての国と市民の利益が関わっており、一刻も早い対処が必要だと訴えざるを得ません。
核抑止政策は、受け入れがたい人道的影響を伴い失敗に終わる危険性をはらんでいるばかりでなく、核拡散の危険をはらみ、北朝鮮の核開発のような問題を誘発する恐れがあります。
国際原子力機関(IAEA)元事務局長のモハメド・エルバラダイ氏は、核兵器国による核兵器保有こそが拡散を誘発する最悪のものであると述べ、「老人が葉巻を口にくわえたまま、若者にたばこを吸うなと説教するようなものだ」と表現しています。
さらに、核抑止という仕組みが現今の国際問題の根本的な解決に何ら有用性を持ちうるのか、我々は深刻な疑問を抱いています。
新たな課題に対応するためには新しい考え方と斬新なアプローチが必要です。
だからこそ、国際社会が総力をあげて協議し、現実の課題にいかに対応していくかを議論すべきです。
核兵器国及び核の傘に依存する国々が今こそ真剣に議論を重ね、核兵器に依存しない安全保障を検討することが急務です。
それにもかかわらず、核兵器国は、核軍縮に向けて大胆な措置をとるためには、いまだ安全保障環境は熟していないと主張し、核軍縮についての議論を表面的な施策に留めようとしています。
私たちは、このような主張には賛同できません。
彼らは、過去の核軍縮も国家間の対立の危機が極まる中、対立する為政者相互の歩み寄りの努力によって実現したという事実を思い起こすべきです。
今こそ世界の為政者が果断なリーダーシップを発揮するべき時なのです。
このような努力を追求する上で、平和首長会議は、核兵器禁止条約に向けた議論をしっかりと支援していく立場をここに改めて表明します。
なぜならば、核兵器の法的禁止こそが、核のない世界への重要な転換点となりうるからです。
そうした決意がなければ、議論は明確な方向性を見失ってしまいます。
一方、世界の為政者がこの明確な方向性に合意できれば、透明性、不可逆性、検証可能性等は、技術的に解決すればよい課題となります。
また、文化や宗教、民族といった違いを乗り越え、相互不信を克服し、同じ人間としての同胞意識を育むことで、政治的リーダーシップの実行にふさわしい環境を整備するという側面において、市民社会は重要な役割と責任を負っており、世界の為政者の力になれると考えます。
我々平和首長会議としても、引き続き核兵器廃絶の進展に取り組み、また、その環境作りのためのイニシアチブを後押しします。
我々は、また、核軍縮の進展は、政治情勢全般の改善に寄与し、他の国際問題の平和的な解決や平和の実現をも促進すると考えます。
平和首長会議は、今回の作業部会参加者の皆様に、核軍縮を前進させることの重要性について認識していただくよう求めます。
この2月会議に核兵器国は欠席していますが、これらの国々も、今後の会議では建設的な議論に加わることを願っています。
そして、作業部会における議論の成果が、核兵器による壊滅的な人道的影響を浮き彫りにし、核兵器のない世界に向けた効果的な法的措置を特定するものとなることを強く期待します。
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