和文機関紙「平和文化」No.182, 平成25年2月号
留学生による平和フォーラム

「ヒロシマの心」を母国に

 留学の地として広島を選んだ留学生に「ヒロシマの心」を理解してもらうとともに、国境を越えて世界恒久平和を目指し行動する若者を育成するため、三部構成で留学生による平和フォーラムを実施しました。
7月28日(土)
(第一部)自主映画『運命の背中』上映会 ―被爆した夫の背中をめぐる物語―
出山監督による映画紹介

出山監督による映画紹介

 172人の参加者(うち留学生28人)が約40分間の映画を鑑賞しました。
 1発の原子爆弾が一瞬のうちに、家屋だけでなく結婚間もない夫婦の生活も破壊していく様を、参加者は真剣に見入っていました。 夫のケロイドの背中を通じて当時の被爆者の生活を映し出し、原爆の悲惨さと夫婦の絆(きずな)を見事に描いた作品でした。
(第二部)出山知樹(でやま ともき)監督によるトークと意見交換会
 第二部では、NHKにアナウンサーとして勤務するかたわら、この自主映画を制作した出山監督の話を伺いました。 監督からは「若者が平和について考える1つのきっかけになればと思い映画を製作した。」とのメッセージが伝えられました。
 意見交換会では、福島の原発事故への関心の高い留学生から「自分たちにできることは何か」との質問が寄せられ、出山監督から「自らが積極的に事実を知ろうとする努力が重要」とのアドバイスをいただきました。
 留学生は全員が事前に原爆に関する一般的な知識と興味を持っていましたが、フォーラム終了後のアンケートでは88%の学生が「考え方が変わった」と回答し、平和の重要性を再認識する機会になりました。
8月6日(月)
(第三部)平和記念式典参列
 留学生とその家族18人が式典に参列しました。
 母国では紹介されることのない式典に、大勢の方々が参列する様子を見て平和への関心の高さを感じ、同じ過ちを繰り返さないという誓いを共有しました。
 参列後のレポートでは「何も無くなってしまった場所から素晴らしい復興を遂げたことに感動した。」、「家族を失った人たちの気持ちが想像できて悲しみを感じた。」との感想が寄せられました。

(広島市留学生会館)

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