和文機関紙「平和文化」No.184, 平成25年12月号

「新着資料展」を開催しています

■ 期間 平成26年6月15日(日)まで
■ 場所 広島平和記念資料館 東館地下1階 展示室(4)
■ 展示資料 平成24年度に寄贈された被爆資料等99点
 広島平和記念資料館では、原爆被害の実相を伝えるために、被爆者やその遺族が所蔵している被爆資料や遺品、写真などの収集に努めています。 平成24年度は、新たに67人の方から、950点の寄贈がありました。 その一部を展示しています。
大切にしていた仏像
家族の形見として大切にしていた仏像(寄贈/山田幹雄氏)

家族の形見として大切にしていた仏像
寄贈/山田幹雄氏

 山田幹夫(やまだ みきお)さんの父・山田明(あきら)さん(当時31歳)は、爆心地から約3km離れた尾長町の自宅で被爆しました。 屋根は吹き飛びましたが、けがはなく、翌日から家族を捜すため市内中心部へ入りました。 この仏像は、立町で靴屋を営んでいた兄夫婦の自宅焼け跡で見つけました。 防空壕の前に、2体の遺骨があり、明さんは兄とその妻だと思いました。 6人兄姉のうち末っ子だった明さんだけが生き残り、兄姉の親族を含め10人以上が亡くなりました。
寄贈者の話から
 「たくさんの家族を1度に亡くした父は、亡くなるまで原爆についてほとんど語ることはありませんでした。 この仏像を一番見えるところに置き、とても大切にしていました。 自分が死んだら資料館に預けてくれてくれと言っていましたが、あまりにも大切にしていたため、その死後も手放すことができませんでした。 8月に母も亡くなり、ようやく寄贈する決心ができました。」

(平和記念資料館 学芸課)

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