平和記念資料館本館の展示「3 魂の叫び」の一角で「市民が描いた原爆の絵」の原画を展示している「絵筆に込めて」のコーナーでは、8月末、6点の絵を入れ替えました。
今回は、被爆直後に大量発生したウジやハエが描かれた絵を展示しました。
被爆直後のウジやハエの発生については数多くの証言が残っていますが、当時の写真や映像にはほとんど写されていません。
しかし、「市民が描いた原爆の絵」の中には、原爆を体験した方たちの忘れられない光景として、傷ついた身体に大量のウジがわいたことや、ハエの大群が飛び交っていた光景がしばしば描かれています。
そのため、これらの絵は当時の惨状を目で見て知ることができる資料として大変貴重なものです。
原画からは、複製された印刷物よりも、当時の惨状がずっと生々しく伝わってきます。
ぜひ原画を間近で見て、当時の人々が置かれた状況を知っていただければと思います。
今回の展示は令和3年2月23日(火・祝)までです。
絵の劣化を防ぎ、長期的に保存していくため、今後も定期的に入替を行います。
(平和記念資料館 学芸課)