被爆から76年目の8月6日(金)、広島市の平和記念公園で、市主催の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が行われ、被爆者や遺族、来賓など約750人が犠牲者の冥福と世界恒久平和を祈りました。
昨年に引き続き、今年度の式典も新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して開催されました。
式典は午前8時に始まり、最初に松井
(まつい)広島市長と遺族代表2人が、この1年間に亡くなられたことが確認された4,800人の氏名が記帳された2冊の原爆死没者名簿を、原爆死没者慰霊碑の中の奉安箱に奉納しました。
これで名簿登録者総数は328,929人、名簿総数は121冊となりました。
続いて山田
(やまだ)広島市議会議長の式辞、各代表による献花の後、原爆が投下された8時15分に、遺族代表の村田
(むらた ひでみ)さんと、こども代表の石田渚
(いしだ なぎさ)さんが平和の鐘をつき、参列者全員が1分間の黙祷
(もくとう)を捧
(ささ)げました。
この後、松井市長が平和宣言を行いました。
宣言の中で市長は、各国の為政者に、他国を脅すのではなく思いやり、長期的な友好関係を作り上げることが、自国の利益につながるという人類の経験を理解し、核により相手を威嚇し、自分を守る発想から、対話を通じた信頼関係をもとに安全を保障し合う発想へと転換するよう強く求めました。
また、日本政府には、被爆者の思いを誠実に受け止めて、一刻も早く核兵器禁止条約の締約国となるとともに、これから開催される第1回締約国会議に参加し、各国の信頼回復と核兵器に頼らない安全保障への道筋を描ける環境を生み出すなど、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たしていただきたいと述べ、さらに、平均年齢が84歳近くとなった被爆者を始め、心身に悪影響を及ぼす放射線により、生活面で様々な苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、黒い雨体験者を早急に救済するとともに、被爆者支援策の更なる充実を強く求めました。
式典には24都府県の遺族代表の他、核兵器国のアメリカ、イギリス、フランス、ロシアを含む83か国と欧州連合(EU)の大使や代表が参列しました。
式典で読み上げられた「平和宣言」、「平和への誓い」の全文は
広島市ホームページから閲覧できます。
「平和宣言」は9言語の外国語訳も閲覧できます。
(総 務 課)