7月31日(土)、本財団と広島市、朝日新聞社の共催により、「核兵器廃絶への道~『希望の条約』が照らす新しい世界~」をテーマとして国際平和シンポジウムを開催しました。
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、会場での参加者は募らず、広島国際会議場から無料ライブ配信を行いました。
基調講演とパネルディスカッション
第1部では、最初に、核兵器禁止条約の採択にも尽力された国連事務次長の中満泉
(なかみつ いずみ)さんが「核兵器禁止条約は世界をどう変えるか」と題して基調講演を行いました。
中満さんは、「被爆者の方々は核兵器禁止条約の成立において非常に重要な役割を果たした。条約の成立は被爆者のたゆまぬ努力の成果だ」と被爆者の功績を称え、「核兵器のない世界という私達の共通の目標を達成するための前向きな力となるよう、あらゆる努力がなされることを望む」と語りました。
続くパネルディスカッションでは、中満さんのほか、アメリカのオバマ政権時代の国務次官として核軍縮・不拡散を担当したローズ・ゴットメラーさん、京都大学大学院法学研究科教授の中西寛
(なかにし ひろし)さん、フォトジャーナリストの安田菜津紀(やすだ なつき)さんが、今後の核軍縮をどう進めるか、被爆地のこれからの役割などについて議論を交わしました。
俳優の宝田明さんと大学生による特別トーク
第2部では、ビキニ水爆実験から着想された日本初の怪獣映画「ゴジラ」の第1作に主演した俳優の宝田明
(たからだ あきら)さんと、「核政策を知りたい広島若者有権者の会(カクワカ広島)」共同代表であり広島県福山市出身の慶応義塾
(けいおうぎじゅく)大生・高橋悠太
(たかはし ゆうた)さん、核兵器禁止条約の推進をめざす「議員ウオッチ」リサーチャーであり長崎県長崎市出身の上智
(じょうち)大生・中村涼香
(なかむら すずか)さんが、「戦争体験を未来につなぐ」と題して特別トークを行いました。
特別トークの冒頭で宝田さんは、旧満州
(まんしゅう)・ハルビンで迎えた終戦後、ソ連兵に銃で撃たれ、麻酔がない状態で銃弾を摘出する手術を受けるという自身の凄惨な戦争体験を語り、平和の大切さを訴えられました。
また、若い世代で核兵器廃絶について考える場として「KNOW NUKES TOKYO」を設立した高橋さんと中村さんの活動や思いを聞き、「道は険しいかもしれないが、二人の行動力が大きな動きとして花開く」と核兵器廃絶に向けて積極的に活動する若者にエールを送られました。
特別トークを行う俳優の宝田明さんと大学生の高橋悠太さん、中村涼香さん
(平和市民連帯課)