和文機関紙「平和文化」No.209, 令和4年8月号
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館 開館20周年記念特別展示

家族の肖像

-引き裂かれた絆-

期間  令和4年8月1日(月)~8月31日(水)

特別展示チラシ
特別展示チラシ
平和祈念・死没者追悼空間
平和祈念・死没者追悼空間
体験記閲覧室
体験記閲覧室
 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は平成14年(2002年)8月1日に開館し、今年で20周年を迎えます。 開館以来、当館は原爆で亡くなった方のお名前やご遺影を登録・公開してきました。 登録の際に、ご遺影とともに家族写真が寄せられることも多く、これらを大切に保管してまいりました。
 このたびの特別展示では、家族写真の中から、被爆前に撮影された約200枚を選び、高さ約8m、円周約55mの平和祈念・死没者追悼空間に展示します。
平和祈念・死没者追悼空間
平和祈念・死没者追悼空間
 また、体験記閲覧室では、それら家族写真の中から6家族に焦点を当て、それぞれの家族の物語を紹介します。 関連する体験記等もあわせて閲覧できます。
体験記閲覧室
体験記閲覧室
 その6家族の中から、今回の特別展示のチラシに掲載させていただいた今岡(いまおか)家についてご紹介します。
 写真は昭和16年(1941年)に撮影されたものです。 中央に写っている笑顔の女性がシズコさん、抱っこされている男の子は、弟の義夫(よしお)さんです。
特別展示チラシ
特別展示チラシ
 昭和20年(1945年)8月6日、シズコさんは自宅で、義夫さんと父の新一(しんいち)さんとともに被爆します。 姿が見えなくなった義夫さんを、父、新一さんは名前を叫び続け、懸命に探しました。 被爆時たまたま縁側にいた義夫さんは、その後、全身に火傷を負った姿で見つかります。 意識がはっきりしていたために、3日間苦しみ続け、9日に息を引き取りました。 はかない9年間の命でした。 新一さんは泣きながら息子を荼毘(だび)に付し、骨上げの際には、悲しみのあまり義夫さんの奥歯を一本、思わず飲み込んでしまったそうです。
 当館が所蔵しているシズコさんの体験記からは、被爆時のさらに詳しい様子を知ることができます。
 原爆の後も大切に残されてきた家族写真。 こちらを見つめる一人一人のまなざしから、人の命だけでなく、家族の絆(きずな)さえも一瞬にして奪った原爆の恐ろしさと、平和の尊さを感じ取っていただければと思います。
 特別展示のほか、研修室3では過去の企画展の映像作品を上映します。 (期間中不定期開催。詳細は当館までお問い合わせください。)
【お問い合わせ】
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
TEL(082)543-6271 
FAX(082)543-6273
ホームページURL:hiro-tsuitokinenkan.go.jp
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 TEL (082)241-5246 
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