
長女を火葬し、行方不明の次男の無事を祈る
長女尚子(3歳)を自分で焼く。泣けて泣けて涙が止まらない「わたしも行く。先に行って居てくれ」と手を合わす。いまだ次男克己(9歳)も不明だ。あの子はどこか逃げて居てくれと祈る。だんだん焼けて体の中の油が流れ出る。大変な量だ。元気な子を焼くのだ。かわいそうで見ていられない。気が狂いそうだ。これが現世とは思えない。地獄だ…。あれから30年死んだ2人の子にすまんすまんと生きてきた。
- 絵に描かれた情景の日時:8月7日夕方
作 者:石風呂環(被爆当時35歳、絵を描いた時65歳)