和文機関紙「平和文化」No.202, 令和元年11月号
JICAサロン

「ドミニカ共和国ってどんな国?」「スリランカってどんな国?」

~青年海外協力隊が語る派遣国の魅力~
 7月21日(日)、広島国際会議場国際交流ラウンジを会場に、(独)国際協力機構中国センター(JICA中国)との共催で、平成31年度第1回JICAサロン「ドミニカ共和国ってどんな国? ~青年海外協力隊が語る派遣国の魅力~」を開催しました。 また、10月27日(日)には、第2回JICAサロン「スリランカってどんな国? ~青年海外協力隊が語る派遣国の魅力~」を開催しました。
 7月開催の「ドミニカ共和国ってどんな国?」では、2016年から2年間、ドミニカ共和国にて、「小学校教育」という職種で、教師を目指す学生に算数を教えるなどの教員養成を行った瀬下岳(せしも がく)さんにお話を伺いました。 また、同じくドミニカ共和国にて、2015年から1年間、JICA短期ボランティアの日本語教師として活動された大方芳恵(おおかた よしえ)さんも講師として参加してくださいました。
 ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島です。 人々は陽気でやさしく、日々の暮らしを楽しみ、毎日の幸せに感謝をする人が多いそうです。
 第二次世界大戦後、日本政府により海外移住振興策が打ち出され、1956年から59年にかけて249家庭がドミニカ共和国へ農業移住しました。 移住の歴史としては比較的新しいのですが、ドミニカ共和国に野菜栽培や生野菜を食べる習慣が普及し、野菜の消費が拡大したのは、日系移住者の功績によるところが大きいとのことです。 また、広島との所縁(ゆかり)も深く、瀬下さんの派遣先の町サンペドロ・デ・マコリスにはカープアカデミーがあり、広島出身者も在住していらっしゃいます。 山間の町ハラバコアでは、広島市から寄贈されたごみ収集車が走っているそうです。 広島との意外な繋(つな)がりを知り、ドミニカ共和国をとても身近に感じることができました。
 10月開催の「スリランカってどんな国?」では、瀬下さんと同じ職種「小学校教育」で、2017年から2年間スリランカにて活動された吉村歩野花(よしむら ほのか)さんにお話を伺いました。
 吉村さんはスリランカ北部州に位置するキリノッチ県に滞在し、現地の小学校で児童への指導や教師への助言などの活動を行いました。 日本の小学校で行われている朝の読書時間の導入や、算数のワークブックの作成など幅広く活動されました。 また、他の協力隊と共に原爆展を開催し、原爆の恐ろしさを子どもたちに伝えるために人形劇を催したり、平和について考えるグループワークを行ったりしました。
今回、スリランカでの生活の様子を写真や動画を交えながら紹介してくださいました。 スリランカは紅茶の産地として有名ですが、スリランカの人々はとても甘い紅茶を好んで飲むそうです。反対に、主食となるカレーはとても辛いものが多く、そのギャップに戸惑ったエピソードなど、楽しいお話を聞かせてくださいました。  一方、スリランカでは2009年まで26年もの間内戦が続き、内戦が終結した現在でもその爪痕が残っているそうです。 特に吉村さんが滞在したキリノッチ県は内戦の激戦地であったため、他の地域よりも復興が遅れているとのことです。
講師の瀬下さんと大方さん

講師の瀬下さんと大方さん。カープのユニフォームを着て、会を盛り上げてくださいました。

講師の吉村さん

民族衣装のサリーを着てお話しされた講師の吉村さん。タミル語の文字を紹介してくださいました。

 別々の国で同じ職種で活動された瀬下さんと吉村さんのお話を伺い、国や文化は異なっても、教育の大切さは普遍であると改めて知ることができました。 また、お二人とも海外での貴重な経験を通して、日本の良さを再認識したと話されていたことが印象的でした。

(国際交流・協力課)

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