和文機関紙「平和文化」No.208, 令和4年1月号
平和文化月間ロゴマーク 

国際フェスタ2021

~ひらこう世界のとびら であおう世界のなかま~

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国際フェスタ2021

~ひらこう世界のとびら
であおう世界のなかま~
 昨年11月20日(土)、21日(日)の二日間、第22回目となる国際フェスタを開催しました。
 今年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を大幅に縮小し、徹底した感染防止対策を講じたうえで、20日にオンライン配信のみで行う6事業を、21日には広島国際会議場を会場として対面及びオンライン配信で行う講演・発表型の3事業、日本文化を体験するための4事業、オンライン配信形式で1事業、二日間合わせて計14事業を行いました。
 昨年度にはできなかった、体験型の事業も実施することができ、国際交流・協力をテーマとした有意義な内容で本イベントを開催することができました。
(主催―本財団、共催―独立行政法人国際協力機構中国センター(JICA中国)、広島市)
11月20日に実施した事業
 昨年度に引き続き実施した、ウェブ会議ツールZoomを使用したオンライン配信事業には、市民団体や公的団体など6団体が、それぞれの事業や団体の紹介、活動発表、講義などを実施しました。
 各団体とも、画像や動画を用い、わかりやすく、参加者を飽きさせない、工夫を凝らした内容で実施していました。
 実施した事業と団体は次のとおりです。
  • 頼山陽(らい さんよう)と日本史(Hiroshima’s Historiographers)
  • 日本と世界の自然探訪発表会(新日本ガラパゴス研究会)
  • ユニセフと世界の子どもたち(広島県ユニセフ協会)
  • 青少年の国際交流活動発表会(広島市教育委員会青少年育成部育成課)
  • 広島市立大学国際学部公開講座「現代世界とマイノリティ・多様性―叢書(そうしょ)『周縁に目を凝らす』から-」(広島市立大学国際学部)
  • ヒバクシャと共に歩んだバーバラ・レイノルズ(ワールド・フレンドシップ・センター)
オンライン事業「ヒバクシャと共に歩んだバーバラ・レイノルズ」
オンライン事業「ヒバクシャと共に歩んだバーバラ・レイノルズ」
11月21日に実施した事業
◇ 「ざんねんでも、大好きな動物たち ~ASA ZOO 50周年に考える~」
 本財団とJICA中国が共同で行う毎年人気のトークショーは、「ざんねんないきもの事典」、「わけあって絶滅しました」の制作者として知られる丸山貴史(まるやま たかし)さんをゲストにお迎えし、動物図鑑の制作活動のために廻(まわ)った世界各地での異文化体験や、動物たちの、ちょっと“ざんねん”な一面を紹介していただきました。
「ざんねんでも、大好きな動物たち」講演の様子
「ざんねんでも、大好きな動物たち」講演の様子
 前半は、イスラエルのダチョウ牧場で言語に戸惑いながら住み込みで働き、周辺の砂漠で動物を探し廻った体験や、アフリカ大陸の最高峰・キリマンジャロの登頂体験を、その時に出会った動物達とのエピソードを絡めながら話してくださいました。
 後半は、今年開園50周年を迎えた広島市安佐(あさ)動物公園の動物診療係長、野田亜矢子(のだ あやこ)さんにも登壇いただき、対談の形式で、安佐動物公園のエピソードを紹介していただきました。
 安佐動物公園がオオサンショウウオを日本で一番多く飼育しており、その理由は、地元に生息している生物を大事にしたからであったこと、日本の固有種と中国から入ってきた外来種との問題など、オオサンショウウオに関する貴重なお話を聞かせていただきました。
◇ 「姉妹・友好都市をめぐるバーチャル世界一周 ~ヒロシマ・メッセンジャーがご案内します!」
令和3年ヒロシマ・メッセンジャーの皆さん
令和3年ヒロシマ・メッセンジャーの皆さん
 世界に6つある姉妹・友好都市との交流の推進役である“ヒロシマ・メッセンジャー”の皆さんが、それぞれの都市を紹介する事業を行いました。 計11名のヒロシマ・メッセンジャーの皆さんが民族衣装と、この日のために自分たちでデザインして制作したカラフルなたすきを着用し、とても華やかな雰囲気の中、担当する都市の魅力や広島市との交流の様子を、わかりやすく、楽しく紹介しました。 賞品の当たるクイズ大会や抽選会も行われ、参加者のみでなくヒロシマ・メッセンジャー自身も楽しんでいました。 参加者からは、「広島市と姉妹・友好都市が活発な交流をしていることを初めて知った。いい機会だった。」などの感想が寄せられました。
◇ 「絶滅に抗した町~スターリングラード戦の歴史的意味」
 この講演会は、広島市とロシア・ボルゴグラード市が姉妹都市提携を結んで2022年で50周年の節目の年を迎えるに当り、ボルゴグラード市(旧スターリングラード市)が大きな戦争被害を受けた「スターリングラード攻防戦」の悲惨さを知り、両市の姉妹都市提携の意義を考える機会としました。
 講師の大木毅(おおき たけし)さんは、スターリングラード攻防戦をテーマとした著書「独ソ戦 ~絶滅戦争の惨禍」が2020年新書大賞を受賞するなど、ボルゴグラード市の戦争被害についての知識が豊富で、講演会では、戦いが起こった経緯、被害の実態や、当時のボルゴグラード市内の様子などを、図を示しながら熱心に語ってくださいました。
 講演の最後は質疑応答も行われました。
◇ JICA『地球ひろば』
 今年度はオンライン配信形式で2つのイベントを開催しました。 第1部では、広島で暮らす外国出身のお二人をゲストに迎え、衣食住や文化についての写真やエピソードトークから出身国を当てる「ミステリーツアー」が行われました。 第2部では、西アフリカ・ガーナ共和国に派遣された経験がある元JICA海外協力隊員の方が講師となり、同国の「アディンクラシンボル」について紹介してもらいました。 これは、概念や格言を表す記号で、模様やロゴなどに使われ、いくつも組み合わせて並べることで言語によらずコミュニケーションを取る手段としても使用されてきました。 最後は参加者がオリジナルの「アディンクラシンボル」を作成し、シンボルに込めた意味などを発表しました。
◇ 外国人市民を対象とした日本伝統文化体験
 日本伝統文化体験事業は、参加対象を外国人市民に限定し、定員を設けた形で実施しました。
 にちわ文化学院講師会サークルの皆さんによるきもの着付体験では、華やかな振袖を着た皆さんが、会場内外で嬉(うれ)しそうに記念撮影をしていました。
きもの着付体験に参加した皆さん
きもの着付体験に参加した皆さん
 国際会議場3階の和室には、上田流(うえだりゅう)和風堂の皆さんによるお茶席を設けました。 新型コロナウイルス感染防止のため、時間ごとの参加定員を設けて混雑を回避し、座席の間隔を広くし、お茶碗(ちゃわん)は使いまわしをしなくても済むよう、使い切りができる紙製の物を使用しました。 静かで落ち着いた雰囲気の中、参加者は、上田宗箇(そうこ)流茶道のお点前を体験することができました。
茶道体験の様子
茶道体験の様子
きもの着付体験と茶道体験の様子
(左)きもの着付体験に参加した皆さん
(右)茶道体験の様子
 このほか会場では、安田(やすだ)女子大学文学部書道学科の皆さんによる書道体験や、いけばなインターナショナル広島支部の皆さんによるいけばなの展示も実施し、参加者の皆さんに、日本伝統文化を体験していただきました。
(国際交流・協力課)
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