7月28、29日の両日、広島国際会議場で、「核兵器廃絶の実現を目指して」をテーマに「2020核廃絶広島会議」を開催しました。
この会議には、世界16カ国から69都市と51のNGO(非政府組織)、12の各国政府、国際機関の代表が参加し、NPT(核不拡散条約)再検討会議の結果を踏まえ、2020年までの核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた新たな取組について協議しました。
開会式
最初に、秋葉忠利
(あきば ただとし)広島市長が主催者を代表して挨拶を行い、「核兵器廃絶実現のために必要なのは、各国政府首脳の政治的意志であり、この政治的意志は最終的には世論の力によって形成される。この会議をきっかけに具体的な活動を始めたいという決意を持っていただきたい。」と呼び掛けました。
その後、有岡宏
(ありおか ひろし)広島県副知事、藤田博之
(ふじた ひろゆき)広島市議会議長が祝辞を述べられ、最後に、潘基文
(パン ギムン)国連事務総長のメッセージがベリン・マッケンジー ユニタール広島事務所上席専門官によって紹介されました。
被爆体験証言
16歳のときに、現在の広島市中区千田町
(せんだまち)で被爆した松島圭次郎
(まつしま けいじろう)さんが、被爆当時の悲惨な様子について語り、共通の目的である平和な未来のために、核兵器廃絶について、みんなが考えるべき時であると訴えました。
基調講演
カナダの下院議員、上院議員、軍縮大使を歴任され、国際的NGOと中堅
(ちゅうけん)国家が連携して核保有国に核軍縮交渉を促す運動を展開する「中堅国家構想」を提唱・創設し、現在、その名誉議長を務めておられる、ダグラス・ロウチさんが、「今こそ核兵器禁止条約を」というテーマで講演されました。
講演の中でロウチさんは、「今、初めて全ての核兵器を禁止する世界的な条約の制定が、全ての国の同意の下、国際的な議論の俎上
(そじょう)に上っている」と指摘した上で、核兵器禁止条約のこれまでの展開について解説し、核兵器廃絶に向けた分野で活動する人たちに対し、歴史の正しい側にいるのであるから自信を持つよう語り掛けました。
さらに、地球上の全ての生命を破壊する核兵器の禁止に向けて、人類の良心に絶えず訴えかけ、世論を盛り上げて行くよう呼び掛けました。
また、基調講演の後には、これまでのロウチさんの平和活動に対する功績に対し、広島市特別名誉市民の称号が贈呈されました。
会議Ⅰ
梅林宏道
(うめばやし ひろみち)NPO法人ピースデポ特別顧問のコーディネートにより、「NPT再検討会議の結果を踏まえた今後の活動のあり方 ―核兵器廃絶への次のステップ―」のテーマに沿って議論を行いました。
会議では、田上富久
(たうえ とみひさ)長崎市長を始め、 国際機関、外務省などの政府関係者、国内外のNGOの代表らがそれぞれの立場から発言を行い、核兵器廃絶に向けた国連の現場、NPT再検討会議の実状、日本政府の考え方、国内外のNGOや広島・長崎の核兵器廃絶に向けた運動の現状が紹介されました。
会議Ⅱ
川崎哲
(かわさき あきら)国際交流NGOピースボート共同代表のコーディネートにより、「世界的な展開に向けて ―国、都市、NGOの連携及び平和市長会議の役割―」をテーマに具体的な活動内容について議論を行いました。
国内外の自治体の代表や、各種団体、NGO代表、各国大使館の代表が発言し、活動報告や具体的な取組の提案を行いました。
川崎さんは、「核兵器廃絶というテーマは壮大であるけれども、我々は地球社会という1つの共同体の構成員であるという共通認識を持って、私たち市民が進めて行くことがその目標を達成することにつながる」と締め括くくりました。
市民対話集会
「核廃絶に向け、私たち市民は何をすべきか」をテーマに、佐渡紀子
(さど のりこ)広島修道
(しゅうどう)大学法学部准教授のコーディネートにより、市民対話集会を行いました。
まず、平和市長会議が掲げる2020ビジョンの実現に向け、様々な取組を行っている3つの市民団体がその取組について報告しました。
次に、会場から日々の活動や支援のあり方について発言を募り、時間一杯まで、様々な意見・提案がなされました。
終わりに、佐渡教授が、「市民は国や組織といったしがらみから唯一自由であり得る存在であり、今日共有できた市民の活動の経験を活用して、さらに活発な活動が展開できる」と述べて締め括りました。
市民対話集会の後、発表を行なった3団体に対して、秋葉市長から感謝状が贈呈されました。
国内加盟都市会議
「2020核廃絶広島会議」に参加した国内自治体の首長及び代表者の皆さんと、平和市長会議の国内加盟都市会議を開催し、平和市長会議のこれまでの取組についての説明とともに各自治体の平和への取組について意見交換を行いました。
会議Ⅲ
前日、基調講演を行なったダグラス・ロウチさんのコーディネートにより「2020年までの核兵器廃絶に向けて」というテーマで、平和市長会議を始めとする世界の平和NGO等の取組の方向性について議論を深めました。
始めに、会議Ⅰと会議Ⅱの議論をまとめた後、自治体、NGOの代表者を始め、会場からも多数の意見が交わされました。
ロウチさんは、「核兵器廃絶に向けて今がそのときであり、被爆者が存命の2020年という時間枠の中での核兵器廃絶に向けて、今までにない広がりを持った連立・連帯が必要である」と締め括りました。
閉会式
最初に、秋葉市長から、アピール起草
(きそう)委員が紹介され、ねぎらいの言葉が贈られました。
次に、起草委員のアーロン・トビッシュ・2020ビジョンキャンペーン事務局国際ディレクターから、アピール起草委員会の審議経過について説明があり、市民の代表が「2020核廃絶広島会議アピール(ヒロシマアピール)」を読み上げました。
最後に、秋葉市長が挨拶を行い、「このヒロシマアピールを世界に広げ、活動につなぐことが私たちのなすべきとことだ。」と訴え、2日間に渡って開催された「2020核廃絶広島会議」を終了しました。
ヒロシマアピールは
平和市長会議ホームページでご覧いただくことが出来ます。