和文機関紙「平和文化」No.183, 平成25年7月号

ヒロシマ・ピースフォーラムの開講

 市民の方が、平和や原爆について学び、どのように行動していけばよいかを探求する機会を提供するための連続講座「ヒロシマ・ピースフォーラム」が、5月11日(土)に開講しました。 広島市立大学「広島からの平和学」との連携講座で、7月20日(土)までの隔週土曜日に全6回開催されます。 広島市立大学の学生と、公募した一般市民の合計約120名は、原爆被害の実相や核兵器廃絶に向けた様々な取組等について、実体験・行政・歴史・医学・芸術・メディアといった多岐に渡る分野の講演を聴講し、グループディスカッションで意見交換を行います。
 第1回では、広島平和文化センターの小溝(こみぞ)理事長が、開講式での挨拶に続いて「平和文化創造に向けたヒロシマのメッセージ」と題して講演を行いました。 講演の中で理事長は、「『あのような悲惨な思いは他の誰にもさせてはならない』というヒロシマのメッセージは、言葉で表現できないほどの悲劇の中から、もがき抜いて紡(つむ)ぎ出した、何人(なんびと)も平和に生きる権利があるという普遍的な平和の訴え」であるとし、世界が相互理解と共同体意識による新しい安全保障へと移行できるよう、将来を担う世代の方々と共に取り組んでいきたいと話しました。
ピースフォーラムで講演する小溝理事長

ピースフォーラムで講演する小溝理事長

被爆体験を語る植田さん

被爆体験を語る植田さん

 続いて被爆体験講話では、広島平和文化センター被爆体験証言者の植田䂓子(うえだ のりこ)さんが当時の生活の様子を交えながら体験を話され、「たくさん話を聴いて歴史を学び、戦争をしない世の中を作って欲しい」と語り掛けました。
 最後に、広島平和研究所の水本(みずもと)副所長が「ヒロシマを学ぶ意義」と題して講演を行い、太平洋戦争全体がもたらした被害について、データを元に紹介しながら、被爆地・広島の体験からいかなる問題を学ぶことができるのか、また、いかなる問題を学ぶべきなのかについて話しました。
 参加者からのアンケートでは、「(小溝理事長は)『若い世代』という言葉を何度もおっしゃっていて、これからを生きていく私たちの動きが大切だということを感じた」といった感想が寄せられました。

(平和連帯推進課)

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