和文機関紙「平和文化」No.185, 平成26年3月号

留学生会館まつり2013

 留学生と市民のみなさんとの国際交流を促進し、留学生に発表と社会参加の場を提供することを目的として、「留学生会館まつり2013」を、平成25年11月3日(日)、広島市留学生会館において開催しました。 平成13年の開館当初より始まった、この年に一度のビッグイベントも13回目を迎え、「まつり」を通して活気や積極性にあふれる国際交流となることを目指し、今年はテーマを「Happy(ハッピー)」としました。 当日は雨天にもかかわらず延べ約2,100人の来場者でにぎわいました。
 午前10時半、ホールにて、留学生による母国紹介「トラベルランド」により、まつりの幕を上げました。 ドミニカ共和国、パプアニューギニア、シリア・アラブ共和国など9か国の留学生が、写真や映像を交えながらプレゼンテーション発表を行いました。 文化や観光地についてのみならず、民族の歴史や国の歩みについての講義もあり、来場者は深い内容に聴き入っていました。 市民の方からは「留学生から自分の国についての思いを聞く機会は少ない、貴重な体験になりました」と声をかけていただきました。
「留学生と話そう!」コーナー

「留学生と話そう!」コーナー

 研修室では「留学生と話そう!」コーナーが設けられました。 訪れた方と留学生が机を挟んで対面に座り、留学生が日本語で様々な質問に答えながら母国を紹介しました。 これには15か国・地域の約80人の留学生が、出身国ごとにチームとなって参加しました。 パソコンやタブレットに映した写真や地図を指し示しながら説明したり、工芸品を片手に伝統文化について語るなど、趣向の凝らし方にもそれぞれ特徴がでていました。
 毎年恒例の屋台は、例年よりバージョンアップされ、会場を会館外周とホールの2か所としました。 さらに、留学生だけでなく、会館を定期的にご利用頂いている国際交流・協力団体の方々が、各国のスイーツや飲み物を作って販売する屋台を出店しました。
モンゴル屋台

モンゴル屋台

 お国情緒(じょうちょ)が出るように、文字やイラスト、小物やテーブルクロスで飾り付けをしたり、商品の包装も工夫したりして、どこも見るだけでも大変楽しいものでした。 グループでおそろいのシャツを着たり、民族衣装を着て販売するなどのアイデアが来館者に大好評でした。 味はどの店も絶品で、お昼時には小雨が降るなか行列が出来る程の人気で、全ての屋台が完売しました。 国によっては、このまつりで出店するのが代々先輩留学生からの伝統行事になっているようです。
 出店者のみなさんは、調理に腕をふるい、接客に励みながら、お客さんとだけでなく出店者同士でも交流しました。 来場者のみなさんも、屋台をはしごして、お国料理と会話を楽しんでいるようでした。
 一階交流ラウンジでは「体験!世界の遊び」が、留学生やその家族、そして市民ボランティアの方々のご協力のもと開催されました。 中国の遊び「羽根蹴(け)り」では、中国人留学生が模範演技を披露しました。 カラフルな羽の付いたおもりを、地面に落とさないように、足の甲やかかとの内側で何度も蹴りあげ、数を競い合いました。 高く蹴りあげて、隣の人ともリレーをしました。 また、モンゴルの留学生とその家族が、日本語でモンゴルパズルの遊び方を一生懸命教えていました。
バンブーダンス

バンブーダンス

 日本の伝承遊び(羽子板(はごいた)、お手玉、折り紙、おはじき、かるた、福笑い、剣玉、五目ならべ)の体験コーナーでは、親子で参加される方が多く、終日、人が絶えませんでした。 「初めて体験した」という日本人の参加者が多いのに驚きました。
 これらの遊びの一種目でも参加すると、ダーツに挑戦でき、留学生の母国の小さなお土産がプレゼントされました。
 そのほか、文化紹介では、中国人留学生による琴(こと)の演奏、フィリピンのバンブーダンス、日本の伝統武道である合気道(あいきどう)の実演や体験などがありました。
 最も盛り上がりをみせたのは、午後2時半からの「世界の民族衣装ファッションショー」と、それに続く「留学生ミニイベント」でした。 ファッションショーでは13か国・地域の約20人が煌(きらび)やかな衣装を身にまとい、まるでプロのモデルのように華やかにステージに上がり、各国の民族衣装を披露しました。 どの季節に、どのような場面で着られるものか、など、詳しい説明もありました。 一家全員で臨(のぞ)んだ留学生家族や、友人グループや親子で当日飛び入り参加をした市民の方もおり、盛況の会場ではカメラのフラッシュが飛び交いました。 ミニイベントでは、留学生によるインドネシア、ネパール、内モンゴルの踊りや、音楽大学に通う留学生たちの歌と演奏に拍手がわきました。
世界の民族衣装ファッションショー

世界の民族衣装ファッションショー

 その他にも、芸術を学ぶ韓国人留学生による美術作品展示、外国人着物着付け体験など様々な催しを実施しました。 多くの方にご協力をいただき、国際交流から生まれる絆(きずな)を心から実感できた一日となりました。 各国の文化にふれ、料理を味わい、パスポートなしで世界の人に出会えた「ハッピー」なイベントに、たくさんの笑顔の花が咲きました。

(国際交流・協力課)

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