和文機関紙「平和文化」No.188, 平成27年3月号
「日中韓協力15周年シンポジウムならびに第1回日中韓人文的交流フォーラム」への出席

中国出張

 小溝泰義(こみぞ やすよし)平和首長会議事務総長(本財団理事長)は、昨年12月、「日中韓協力15周年シンポジウムならびに第1回日中韓人文的交流フォーラム」へ出席のため、中国吉林(きつりん)省長春(ちょうしゅん)市を訪問しました。
 このフォーラムは日本、中国、韓国3か国間協力15周年を記念して、12月22日(月)及び23日(火)の2日間、中国外交学院(中国外交部に所属する唯一の外交研究及び外交研修の機関)と吉林日中韓協力研究センターの主催により開催されたものであり、主催者からの要請に応じて出席したものです。
 フォーラムには、3か国の政府・教育・報道・企業関係者等約130名が参加し、3か国間の相互信頼や人的交流、メディアの協力について議論が行われました。
 23日のセミナーは包括的な開会セッション及び閉会セッション並びにテーマごとに3つの分科会が開かれ、実質討議は3分科会で行われました。
第1分科会でスピーチを行う小溝事務総長

第1分科会でスピーチを行う小溝事務総長

 このうち、「共通の責任に基づく平和と発展のための東アジア共同体の構築」をテーマとする第1分科会で、「多様性を尊び、共通点を追求する」をキーワードとして、日中韓協力の参照事例として、平和首長会議の活動について小溝事務総長がスピーチを行いました。 スピーチでは、プレゼンテーション用ソフトウェアを用い、広島の被爆の実相について写真や被爆者の絵を交えて説明した上で、被爆者は自らが筆舌に尽くしがたい被爆の惨状を経験したからこそ、「他の誰も私のような残酷な目にあわせてはならない」という深い人道的信念を持ち、現在も核兵器のない平和な世界の実現を訴え続けていることを紹介しました。 そして、このメッセージは深い人道的な本質を持つ連帯への尊い呼び掛けであり、核兵器が存在する世界に生きる全人類が傾聴すべきであると訴えました。 その上で、平和首長会議は、この「ヒロシマ・ナガサキ」の心を基に2020年までの核兵器廃絶に向け、核兵器廃絶を求める活動と持続する平和の基礎を築くための相互理解・相互交流のための活動をあわせて行っていることを紹介しました。
 また、為政者への広島・長崎訪問呼び掛けや様々な取組、幅広い市民社会との連携強化を行っていることを紹介し、今後とも、世界の市民社会の心ある人々と力を合わせ、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に取り組むことを表明するとともに、その過程で、東アジア地域の将来のためにも貢献していきたいと述べました。
 閉会セッションでは、3国間関係には様々な課題が存在するが、この日中韓協力の枠組みを通じ、今後とも3か国の連携を強化させ、人的交流を拡大していくことが確認されました。

(平和連帯推進課)

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