和文機関紙「平和文化」No.194, 平成29年3月号

第6回平和首長会議国内加盟都市会議総会の開催 及び 日本政府に対する「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の推進を求める要請文の提出

 昨年11月7日、8日に、第6回目となる平和首長会議国内加盟都市会議総会を、千葉県佐倉市において開催しました。
 当会議は、平和首長会議の国内における取組の充実を図るため毎年1回開催しており、今回は全国から過去最大となる111自治体・185人(うち首長49人)が出席しました。
開会
 平和首長会議会長の松井一實(まつい かずみ)広島市長が開会挨拶を行い、「核兵器のない未来を創っていくのは、私たち一人一人の『情熱』であり、平和への思いを共有し、『連帯』することから生まれる具体的な行動です。私たちは多様な価値観を認め合いながら、『共に生きる』世界を目指し、ともに努力していかなければなりません。」と呼びかけました。
佐倉市プログラム「ピース フロム 佐倉」
「ピース フロム 佐倉」小学生による平和合唱
「ピース フロム 佐倉」小学生による平和合唱
 次に、佐倉市プログラム「ピース フロム 佐倉」が行われ、総会出席者に加え多くの佐倉市民が参加しました。 プログラムでは、佐倉市プロモーション映像上映、地球のステージ平和コンサート、佐倉市ゆかりの著名人や被爆者による平和メッセージ、国立歴史民俗博物館研究部の荒川章二(あらかわ しょうじ)教授による平和講演、佐倉平和使節団による活動報告、小学生による平和合唱が行われました。
会議Ⅰ(平和に関する取組事例の報告)
 2日目の最初のプログラムとして、東京都の清原慶子(きよはら けいこ)三鷹市長、尾崎保夫(おざき やすお)東大和市長、佐藤一夫(さとう かずお)国立市長からそれぞれの自治体の平和に関する取組事例の報告をしていただき、加盟自治体における今後の取組に資するものとしました。
会議Ⅱ(議案の審議、報告、意見交換)、会議Ⅲ(総括)、閉会
第6回平和首長会議国内加盟都市会議総会で議事進行する松井広島市長(左)と田上長崎市長(右)
第6回平和首長会議国内加盟都市会議総会で議事進行する松井広島市長(左)と田上長崎市長(右)
 次に、松井市長が議長として議事進行役を務め、議案の審議等を行いました。
 議案の審議では、まず、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に対し平和首長会議として賛同・協力することについて、了承されました。 また、日本政府に対する「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の推進を求める要請文の提出について了承されました。
 続いて、第9回平和首長会議総会の開催等について事務局から説明を行いました。 その後、出席者による自由な意見交換を行い、今後の取組に資する多くの意見が出されました。
 最後に、会議の概要等を盛り込んだ総括文書を採択して閉会しました。
日本政府に対する要請文の提出
日本政府に対する要請文の提出(左から岸田外務大臣、松井広島市長、蕨佐倉市長、黒田長崎市東京事務所長)
日本政府に対する要請文の提出(左から岸田外務大臣、松井広島市長、蕨佐倉市長、黒田長崎市東京事務所長)
 総会での決定に基づき、昨年11月24日に、松井市長(平和首長会議会長)、黒田正代(くろだ まさよ)長崎市東京事務所長(長崎市長代理)及び蕨和雄(わらび かずお)佐倉市長が外務省を訪問し、「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組の推進について安倍晋三(あべ しんぞう)内閣総理大臣宛ての要請文を岸田文雄(きしだ ふみお)外務大臣へ提出しました。
 要請文を受け取った岸田外務大臣は「平和首長会議の皆様の思いは、しっかりと受け止めさせていただいた。唯一の戦争被爆国だからこそ、核兵器国と非核兵器国の橋渡し役として主導的な役割を果たし、前進のために努力したい。世論形成が重要であるため、平和首長会議の協力・応援をお願いしたい。」と述べられました。

(平和連帯推進課)

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