平成30年 追悼平和祈念館企画展
「星は見ている 全滅した広島一中一年生・父母の手記集
期 間  平成30年1月1日〜12月29日
場 所  追悼平和祈念館 地下1階 情報展示コーナー
入 場  無料
 原爆死没者追悼平和祈念館では、被爆の実相を伝えるため、毎年テーマを定めて企画展を開催し、被爆体験記を紹介しています。
 本年は「星は見ている 全滅した広島一中一年生・父母の手記集」に収録された追悼記を中心に、書籍と同名の企画展を組み立てました。
 広島県立広島第一中学校は、明治10年(1877年)に広島県中学校として創設され、有為な人材を数多く輩出する県内屈指の名門校として、少年たちの憧れの学び舎でした。
 昭和20年(1945年)4月に入学した一年生は、戦況が厳しさを増す中で、上級生と同様に学徒動員に駆り出されることになります。
 8月6日の朝は、一年生が集合し、点呼・作業上の注意を受けた後、奇数学級は市役所裏付近で建物疎開の後片付け、偶数学級は教室で待機中でした。 爆心地から1km未満の至近距離で被爆し、屋外で作業中だった生徒の一部は即死、大部分はやけど・重傷を負い、かろうじて帰宅した生徒も全員が死亡しました。 また、全壊した校舎の下敷きになった生徒の多くも亡くなりました。
 『星は見ている 全滅した広島一中一年生
 ・父母の追悼記集』
(発行:鱒書房/昭和29年(1954年)8月3日)
 被爆の翌年、遺族会が結成され、昭和29年(1954年)には、父母などが執筆した追悼記が『追憶』として刊行されました。 収録された手記は全国的な週刊誌に取り上げられ、大きな話題を呼び、同年8月には選定された追悼記を編さんした『星は見ている』が刊行されました。 何度かの復刊を経て、現在も読み継がれる本書は、子を思う父母の思いが涙を誘い、平和を希求する心が読む者に強く訴えかけます。
子を亡くした父母等を中心に広島一中関係者が慰霊塔に集った。
(1946年8月/写真提供:秋田(あきた)正洋(しょうよう)氏)
 本企画展においては、被爆の悲惨さを伝える手記集を取り上げることで、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う広島の心を訴える一助としたいと考えました。
 展示の中心となる3面シアターでは、被爆死した7人の中学生の父母や姉らが書いた追悼記の中から、在りし日の子どもの思い出や最期の様子をナレーションと原爆の絵などで映像化しています。 7人の追悼記の最後の締めくくりとなる、藤野(ふじの)としえさんがつづった 「戦争はやめて欲しい、地球上からなくしてほしいと子供が語ったことを追憶してみました。十四歳の少年の言葉ではない。神の言葉だと思いました。博久も一緒に死んでいった一中のお友達も、みんな魂が天に昇り、星くずとなって、この地上に再びあのような惨禍が起きないようにと、静かに私たちを見つめているように思われてきました」 との言葉が多くの来館者の感動を呼んでいます。
 会場では、26編の手記とともに、被爆した学生服、当館の所蔵する一中教諭だった戸田(とだ)五郎(ごろう)氏が被爆の状況を詳細につづった手帳などを展示しています。
 企画展の映像については、過去に制作したものも含め、当館の体験記閲覧室やホームページ>>で視聴することができます。 映像は平和学習資料として、DVDでの貸出しも行う予定ですので、ご希望の方は当館までお問い合わせください。

【お問い合わせ】 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
TEL(082)543−6271

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