和文機関紙「平和文化」No.206, 令和3年3月号

「ヒロシマ・ピースフォーラム」の開催

 本財団では、広島市と共催で、市民が「平和の原点」としての「ヒロシマ」を見つめ直し、原爆や平和について考え、どのように行動していけばよいかを探求する機会を提供するため、「ヒロシマ・ピースフォーラム」を開催しています。 今年度も広島市立大学の講座「広島からの平和学」と連携して、10月から12月までの間に全5回開催し、同大学の学生を含む10代から80代までの約60人が受講しました。
 今年度は、袋町(ふくろまち)小学校平和資料館の見学や、被爆体験講話、原爆詩の朗読体験などを通して、広島の被爆の実相を学んだほか、長崎市永井隆(ながい たかし)記念館の永井徳三郎(とくさぶろう)館長や長崎家族・交流証言者の三根礼華(みね あやか)さんを講師に迎え、長崎の被爆の実相についても理解を深めていただきました。
 その他、1976年モントリオールオリンピックに走高跳の選手として出場した、広島市立大学名誉教授の曾根幹子(そね みきこ)先生に、戦争や原爆によって亡くなったオリンピアンについて、遺族から聴き取ったことなどをお話ししていただきました。 また、アフガニスタン出身のJICA研修員ワヒドゥラーさんに、広島で原爆や戦後復興について学んで感じたことや、アフガニスタンの現状についてお話ししていただきました。
 受講後のアンケートでは 「このフォーラムへの参加が人生のターニングポイントとなった」 「広島で育ったので原爆については知っているつもりだったが、まだまだ知らないことがたくさんあるということに気づかされ、自分の目や足で確認していくことが大事だと思った」 「平和学習=原爆学習ではなく、広い視野で平和を考えていくことが大事だと思った」 などの感想があり、参加していただいた皆様の平和意識の高揚を図ることができました。

【令和2年度プログラム】

日程 講義テーマ・講師
第1回
10/17
袋町国民学校地下室の奇跡~生存児童3人の戦後
 中国新聞社特別編集委員 西本雅実
袋町小学校平和資料館の見学
第2回
10/31
被爆体験講話
 被爆体験証言者 八幡照子
ヒロシマを「受け継ぐ」とは
 NHK広島放送局アナウンサー 出山知樹
第3回
11/7
永井隆博士が遺したもの
 永井隆記念館館長 永井徳三郎
被爆体験を語り継ぐ
 長崎家族・交流証言者 三根礼華
ヒロシマ・ナガサキの思いをつなぐ
 広島市立広島商業高等学校生徒
第4回
11/21
ヒバクシャ国際署名を通してふれた被爆者の思い
 ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダー 林田光弘
被爆体験詩の朗読体験
 演劇集団ふらっと
第5回
12/5
五輪と平和~戦没オリンピアンの足跡
 広島市立大学名誉教授 曾根幹子
第6回
12/29
(中止)
私が考える「平和」とは
 広島市立大学学生
グループ討議
 進行:ひろしまジン大学代表理事 平尾順平
※ 第6回は新型コロナ感染拡大防止集中対策のため中止
(平和記念資料館 学芸課)
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