広島市は、長崎市と共同で、ニューヨーク、ジュネーブ、ウィーンの国連施設において原爆展を常設しています。
このため、各施設の見学ツアーガイドを広島に招へいし、被爆の実相について学んでもらう「国連見学ツアーガイドのヒロシマ研修」を平成29年度(2017年度)から開始しました。
4回目となる今年度の研修は、新型コロナウイルス感染症の影響により招へいを見合わせ、研修プログラムの一部をオンラインで実施しました。
まず、平和記念資料館としては初の試みとなるオンライン館内ツアーを昨年12月7日の閉館後に実施。
英語でガイドしておられるヒロシマ ピース ボランティア有志の方10人にご協力いただき、東館導入展示から本館展示の一部をリアルタイムの解説付きで紹介しました。
翌8日には、広島市立大学広島平和研究所のロバート・ジェイコブズ教授に、「米国におけるヒロシマの受け止め方」というテーマで講義をしていただきました。
そして11日には、梶本淑子
(かじもと よしこ)さんと小倉桂子
(おぐら けいこ)さんに被爆体験講話を行っていただきました。
オンラインで国連職員に自らの被爆体験を語る梶本淑子さん(右)
時差の大きい場所に向けて行った研修でしたが、各国連施設のツアーガイドを中心とした国連職員、延べ134人がライブで研修を受講しました。
研修終了後のアンケートでは、
「ヒロシマについてより深く知りたいという気持ちが芽生えた」
「パンデミック終息後には是非実際に広島を訪れて資料館を見学したい」
という声が寄せられました。
コロナ禍により広島での現地研修が実施できなかったことは残念だったものの、多くの国連職員にヒロシマへの関心をより深めてもらう機会を提供することができました。
(平和記念資料館 啓発課)