被爆72周年平和記念式典
今年7月、国連では、核兵器禁止条約が採択され、核兵器廃絶に向かう明確な決意が示されました。
 被爆72年目の8月6日(日)、広島市の平和記念公園で、市主催の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が行われ、被爆者や遺族など約5万人が参列して犠牲者の冥福と恒久平和を祈りました。
 式典は午前8時に始まり、最初に松井(まつい)一實(かずみ)広島市長と遺族代表2人が、この1年間に亡くなられたことが確認された5,530人の氏名が記帳された3冊の原爆死没者名簿を、原爆死没者慰霊碑の中の奉安箱(ほうあんばこ)に奉納しました。 これで名簿登録者総数は308,725人、名簿総数は113冊となりました。
 続いて広島市議会議長の式辞、各代表による献花の後、原爆が投下された8時15分に、遺族代表とこども代表が平和の鐘をつき、参列者全員が1分間の黙祷(もくとう)()げました。
 この後、松井市長が平和宣言を行いました。 市長は、核兵器の使用は人類として決して許されない行為であり、その保有は人類全体に危険を及ぼすための巨額な費用投入にすぎないと述べ、世界中の出来るだけ多くの人々に平和記念公園を訪れ、きのこ雲の下で何が起こったかを知り、被爆者の核兵器廃絶への願いを受け止めた上で、世界中に「共感」の輪を広げていただきたいと訴えました。
 また、日本政府には、今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組むことや、平均年齢が81歳を超えた被爆者をはじめ、放
平和宣言を行う松井市長
射線の影響により心身に苦しみを抱える多くの人々への支援策の一層の充実と、「黒い雨降雨地域」の拡大を強く求めました。
 平和宣言の後、こども代表の竹舛(たけます)直柔(なおなり)君と福永(ふくなが)希実(のぞみ)さんが、被爆により心身に深い傷を負いながらも、復興をあきらめることなく、必死で生きてきた人々に思いを馳せる「平和への誓い」を読み上げました。
 この後「あいさつ」の中で、安倍(あべ)晋三(しんぞう)内閣総理大臣は、真に「核兵器のない世界」を実現するためには、核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要であり、日本政府として、双方に働きかけを行うと述べ、世代や国境を越えて被爆体験を継承していく取組を推し進め、核兵器不拡散条約(NPT)発効50周年となる2020年のNPT運用検討会議が意義あるものとなるよう、積極的に貢献していく考えを示しました。
 今回の式典では、アントニオ・グテーレス国連事務総長のメッセージを、中満(なかみつ)(いずみ)国連事務次長兼軍縮担当上級代表が、初めて日本語で代読しました。 事務総長は、核兵器禁止条約の採択へと(つな)がった、核兵器廃絶を目指す世界的な運動において、広島の平和へのメッセージと被爆者の方々の英雄的な努力は、核兵器の使用がもたらす壊滅的な影響を世界に強く印象付け、貴重な貢献をしてきたと高く評価しました。 また、核兵器を保有する国々は、核軍縮に向けて具体的なステップを踏む特別な責任を有すると述べ、全ての国々に対し、それぞれのやり方でより一層の努力を尽くすよう訴えました。
 式典には36都道府県の遺族代表の他、核兵器国のアメリカ、イギリス、フランス、ロシアを含む80か国と欧州連合(EU)の大使や代表が参列しました。
 式典の様子(動画)はひろしまムービーチャンネル>>の「原爆・平和」から、式典で読み上げられた「平和宣言」、「平和への誓い」の全文は、広島市ホームページ>>の「原爆・平和」→「平和宣言・平和への誓い・平和に関する要請等」から閲覧できます。

(総 務 課)

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