第9回平和首長会議総会を開催
 平和首長会議は、8月7日(月)から8月10日(木)までの日程で、4年に1度の総会を長崎市で開催しました。
 第9回となる今回は、「『核兵器のない世界』の実現を目指して〜2020年に向けて、今、私たちができること〜」を基調テーマに、35か国157の都市、政府、NGO等から314人が参加し、2020年までの核兵器廃絶に向けた具体的な取組を中心に議論しました。

開会式
 台風の影響により参加できなかった松井(まつい)一實(かずみ)広島市長(平和首長会議会長)に代わり、小溝(こみぞ)泰義(やすよし)本財団理事長(平和首長会議事務総長)が、主催者を代表して会長挨拶を代読しました。 松井市長は、7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」に法的実効性を持たせるため、条約採択に参加しなかった核保有国とその傘の下の国々の早期締結に向けて、市民社会の声を結集していこうと呼び掛けました。
 その後、来賓代表として中村(なかむら)法道(ほうどう)長崎県知事が挨拶されました。 この他、総会に出席できなかった海外の加盟都市首長や核兵器禁止条約の交渉会議で議長を務めたコスタリカのホワイト大使からのビデオメッセージが寄せられました。

基調講演
 中満(なかみつ)(いずみ)国連事務次長兼軍縮担当上級代表が「21世紀軍縮の課題」と題して基調講演されました。 中満氏は、今後の軍縮において、安全保障、人道的見地、開発と環境を考慮することが必須不可欠であると述べ、テロリスト等の不法かつ不安定な活動、違法な取引きによる兵器の流出、化学兵器などの違法な使用を終わらせるために、まず規範を築き上げ、国際的な連携で対処すべきとの見解を示されました。

被爆体験証言
 長崎で被爆された松尾(まつお)幸子(さちこ)さんが自らの体験を振り返り、「あの体験は、誰にもさせたくない。」と語りました。
 基調講演でスピーチする中満泉国連事務次長兼軍縮担当上
 級代表
会議T
 この会議から合流した松井市長の進行により、役員都市の選任、2017年から2020年までの行動計画などの議案について審議がなされ、原案どおり議決されました。
 行動計画には、「核兵器のない世界の実現」というこれまでの取組目標に、「安全で活力のある都市の実現」という新たな取組目標が加わりました。 これは、平和文化の構築を図るとともに、テロ、難民、環境破壊など多様な課題に対する地域毎の主体的な取組を活発化していくためです。
総会の様子
会議U
 鈴木(すずき)達治郎(たつじろう)長崎大学核兵器廃絶研究センター長がモデレーターを務め、「都市の役割」をテーマに、ドイツ・ハノーバー市、フィリピン・モンテンルパ市、フランス・マラコフ市とグリニー市、京都府綾部(あやべ)市から、各地域の活発な取組が発表され、平和・軍縮活動の未来の展望について意見交換が行われました。

会議V
 会議の冒頭で、就任直後の河野(こうの)太郎(たろう)外務大臣が挨拶され、唯一の戦争被爆国として核保有国等と非核保有国との橋渡しをしなければならないと述べられました。
 その後、中村(なかむら)桂子(けいこ)長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授がモデレーターを務め、「若者の役割」をテーマに、長崎、広島等の学生と加盟都市首長等によるグループワークで核兵器禁止条約の動きや平和教育、平和活動などについて意見交換を行い、各都市で実現可能な平和活動計画を立案しました。

第7回国内加盟都市会議総会
 会議@では、大阪府八尾(やお)市と兵庫県姫路市が取組事例を発表しました。
 会議Aでは、未加盟自治体への加盟要請活動を展開するとともに、日本政府に対し、核兵器廃絶に向けた取組の推進について、力を尽くすよう要請文を提出することが議決されました。
 会議Bでは、この会議の総括文書が採択され、田上(たうえ)富久(とみひさ)長崎市長(平和首長会議副会長)の挨拶で閉会となりました。
 また、来年度の第8回平和首長会議国内加盟都市会議総会が岐阜県高山市で開催されることが紹介されました。

会議W
 朝長(ともなが)万左男(まさお)核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会委員長がモデレーターを務め、「NGO・市民団体・被爆者団体等の役割」をテーマに、ドイツ・ハノーバー市、韓国・済州(チェジュ)特別自治道及び一般財団法人長崎原爆被災者協議会が、それぞれの取組を発表し、意見交換しました。

会議X
 田上市長が議長を務め、各会議のモデレーターから内容が報告されました。
 続いて、松井市長が今回の総会の総括として、「ナガサキアピール」及び「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」を読み上げ、会場からの拍手により議決された後、全ての議事は終了しました。

閉会式
 英国・マンチェスター市のエディ・ニューマン市長(平和首長会議副会長)に続いて、田上市長が挨拶しました。
 最後に、松井市長が、総会への参加、協力に対するお礼と、「3年後の2020年に広島で開催される次の総会までに、核兵器のない平和な世界へ確たる一歩を進められるよう、共に力を尽くしていきましょう」と決意を述べ、総会は閉会しました。
 「ナガサキアピール」と「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」は、8月末に国連事務総長及び各国政府に送付されました。 これらの文書及び議案書は、平和首長会議ホームページ>>で御覧頂くことができます。

(平和連帯推進課)

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