第23、24回展示検討会議の開催
 平和記念資料館では現在、本館展示の更新を進めています。 展示内容については、原爆被害、核や平和問題などの有識者で構成する展示検討会議の委員から、展示構成、展示手法などについて指導・助言を受けながら検討を行っています。
 第23回、第24回展示検討会議では次のような内容を示し、意見交換を行いました。

第23回展示検討会議
 平成30年1月25日に第23回展示検討会議を開催しました。 会議では議題の1つとして「8月6日の惨状」のコーナーの集合展示について議論しました。 この展示は被爆直後の壊滅した都市と人々の惨状を伝える展示で、展示室中央の展示ケースに建物疎開作業に動員され亡くなった生徒たちの遺品を数十点展示します。 そのケースの周りには、壁面に沿って爆風で折れ曲がった鉄骨の(はり)やゆがんだ鉄扉などの資料を展示し、床面には大火災の高熱で変形した瓦や陶器の溶融塊などを固めて展示します。 これらの大型資料は、被爆直後の情景を印象づけることができるように、ケースに入れることなく展示します。 また、壁面には破壊された街並みの写真が並びます。
 図面上の検討だけでなく、実際に資料を配置し展示手法を確認するためのシミュレーションを事前に行い、会議ではその時に撮影した写真も示しながら意見交換を行いました。 委員からは、壁面の写真と手前の資料を関連付けて効果的に展示することや、資料を漠然と並べるのではなく配置に意図を持たせることなどの意見がありました。
「8月6日の惨状」 真上からの俯瞰(ふかん)
第24回展示検討会議
 平成30年5月18日に第24回展示検討会議を開催しました。 この会議では議題の1つとして「魂の叫び」のコーナーについて議論しました。 「魂の叫び」は原爆により亡くなった人々の苦しみや痛み、家族の悲しみに向き合う展示です。 資料から亡くなった人の姿を想像してもらうことが重要となります。 会議ではコーナーの前半部分のイメージ画像を示しながら説明しました。 展示室の中央に被爆した三輪車、弁当箱などの資料の展示ケースを3台配置し、展示ケースの横には等身大の遺影や自立式の解説パネルを置きます。
 奥の壁面には布製かばんや定期入れなどの遺品を展示する6台の展示ケースが並びます。 これらの展示ケースの横にも遺影や亡くなった人の詳しい被爆状況、家族の手記などから抜粋した解説パネルが配置されます。 資料は定期的に入れ替えることを考えています。
 「魂の叫び」のコーナーに入ると遺品と遺影が来館者の目に入ってくるレイアウトです。 委員からは展示内容やレイアウトについて了解を得ました。
「魂の叫び」 俯瞰図
 また、この会議では本館入口に展示する写真も決まりました。 本館全体の展示内容が固まり、今後はこれまでの展示検討会議での意見を踏まえながら展示資料を確定し、解説文を作成する作業を進めます。

(平和記念資料館 学芸課)

このページのトップへ ▲

〒730-0811 広島県広島市中区中島町1-2
TEL:(082)241-5246 FAX:(082)542-7941
e-mail: p-soumu@pcf.city.hiroshima.jp
Copyright(C) Since April 1, 2004. Hiroshima Peace Culture Foundation