JICAサロン 「余熱の会 〜シニア海外ボランティア@ブラジル〜」
 3月11日、広島国際会議場国際交流ラウンジを会場に、(独)国際協力機構(JICA)中国との共催で、平成29年度第4回JICAサロン「余熱の会〜シニア海外ボランティア@ブラジル〜」を開催しました。
 今回は、2012年から2年間、日系社会シニアボランティアとしてブラジルで活動された上瀬(かみせ)智子(ともこ)さんを講師にお迎えし、お話を伺いました。
 現在ブラジルには一世から四世までの日系人が暮らしています。 上瀬さんは、日本で高齢者福祉に携わった経験を生かし、サンパウロ近郊の町スザノにある高齢の日系人が多く入居する養護老人ホームで、ソーシャルワーカーとして活動されました。
 ブラジルには、いわゆる「介護」という概念はなく、入居者の方たちも、できる限り自立した生活を送る努力をしているそうです。 そうした、日本とは少し異なる環境の中、上瀬さんは日本の介護施設でよく行われるレクリエーションを活動に取り入れ、実践しました。 正月や七夕といった季節の行事や、習字や押し花作りなどの活動を通じて、入居者の方たちと日々コミュニケーションを重ねまし
「余熱の会〜シニア海外ボランティア@ブラジル〜」より
た。 多くの苦難を乗り越えてきた日系一世の方たちの笑顔が、上瀬さんの活動の励みとなったそうです。
 また、ホーム以外での日系の方たちとの交流についても紹介されました。 自家製の豆腐でもてなしてくれた友人や、大晦日(おおみそか)の朝に紅白歌合戦を生中継で見ながら餅つき大会をしたといったエピソードを通して、日本文化が日系人社会にしっかりと受け継がれていることが分かりました。 一方で、子どもたちはポルトガル語を日常的に使い、日本語は学校で学ばないと継承が難しくなってきているという現実についても紹介されました。
 上瀬さんのお話を伺い、普段あまり知る機会のないブラジルの日系人社会について学ぶことができ、有意義な時間となりました。

(国際交流・協力課)

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