和文機関紙「平和文化」No.205, 令和2年11月号

核兵器禁止条約50か国批准に寄せて

平和首長会議が公開書簡を発出

 10月24日に核兵器禁止条約の批准国が50か国に達し、同条約が来年1月22日に発効することが確定しました。
 このことを受けて、平和首長会議(会長 松井一實(まつい かずみ)広島市長)では、国連関係者や全ての国連加盟国に対して公開書簡を発出しました。 この書簡では、核兵器禁止条約の発効確定という歴史的な出来事を歓迎する一方で、今後、同条約を包括的で実効性の高いものとし、核兵器廃絶への推進力としていかなければならないと訴えています。
 また、平和首長会議の全加盟都市に対し、様々なツールを活用してこの公開書簡を各国政府や市民に広く伝えるよう依頼しました。

市民との協働イベントの開催

市民との協働イベントの参加者

市民との協働イベントの参加者

 核兵器禁止条約の発効が確定したことを受けて、10月25日(日)に平和首長会議と市民との協働イベントが開催されました。
 原爆ドーム前に被爆者や市民約200人が集い、同条約の発効確定を共に祝うとともに、今後日本を含め、批准国を広げていくために頑張っていくことを誓い合いました。
 松井会長はこのイベントに出席し、「『こんな思いを他の誰にもさせてはならない』という被爆者の方々の強い思いと、核兵器は『絶対悪』であるとの市民社会の受け止めが国際社会を動かし、条約の発効として結実したということを、歴史的事実として忘れてはならない。」というメッセージを発信しました。

青少年ピースキャンドルの集いを実施

青少年ピースキャンドルの集いの参加者

青少年ピースキャンドルの集いの参加者

 同日の夕方には、平和首長会議が原爆死没者慰霊碑前で青少年ピースキャンドルの集いを開催しました。
 このイベントには、松井会長と小泉崇(こいずみ たかし)事務総長(平和文化センター理事長)のほか、核兵器廃絶を訴える署名活動「核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」の参加高校生や、平和記念公園で外国人観光客に向けてガイド活動を行っているユースピースボランティア約30人が参加しました。
 始めに松井会長が挨拶の中で、「今後の活動に向けた決意を述べる署名キャンペーン参加高校生やユースピースボランティアの行動によって、核兵器のない世界こそがあるべき姿であるということが世界の人々の共通認識となり、日常生活の中で平和を追求する行動に繋がることを願っている」と述べました。
 青少年らは、キャンドルの火を灯しながら慰霊碑を参拝し、原爆死没者に長年待ち望んできた核兵器禁止条約の発効が確定したことを報告しました。 報告の中で彼らは、「被爆者の『こんな思いを他の誰にもさせてはならない』という強い思いを広めるために世界中の市民が行ってきた活動が実を結び、核兵器禁止条約の発効が確実となったことは大変嬉しいことですが、一方で、これから核保有国を含め国際社会が着実に核兵器廃絶へと前進していくために、私たち若い世代が何をすべきかという大きな課題を突きつけられたと考えています」と述べ、今後も核兵器のない平和な世界を目指して、ヒロシマの心に共感する人の輪を広げていくために、仲間と共に精一杯活動していくことを誓いました。
原爆死没者に慰霊碑前で挨拶する松井会長

原爆死没者慰霊碑前で挨拶する松井会長

青少年による報告

青少年による報告

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