2月12日、19日、および26日に、「やさしい日本語」講座を、連続して開催しました。
日本人・外国人合わせて
32名が参加しました。
この講座では、従来、日本人の市民が「やさしい日本語」(外国人に分かりやすい日本語)を学んでいました。
昨年度からは、共生の大切さを一層理解してもらうため、外国人の市民も参加して、「やさしい日本語」を用いて、一緒に地域のルールや防災について学んでいます。
第1回は、ひろしま国際センターの犬飼康弘(いぬかい やすひろ)氏から、「やさしい日本語」の概要と用法について学びました。
第2回は、広島市日本語教育コーディネーターの橋本優香(はしもと ゆうか)氏から、「クイズ等を通して学ぶ地域のルール講座」として、ゴミ捨てについて学びました。
さらに、第3回は、広島大学准教授の小口悠紀子(こぐち ゆきこ)氏から、「LEGOで作る災害に強いまち」講座として、防災について学びました。
このうち、第3回の「LEGOで作る災害に強いまち」講座を紹介します。
講座では、防災で重要な物の名前や用語をカードゲームで学びました。
例えば、「ポリタンク」や「ゲリラ豪雨」等です。
災害に関わる言葉は、知らないと命に関わる場合もあるので重要です。
講座では、グループごとに「やさしい日本語」で話し合い、丁寧に確認していきました。
その後、LEGOブロックなどを用いて、どんな人にもやさしい、ユニバーサルデザインの避難所の模型を作りました。
日本人と外国人の参加者が、「やさしい日本語」で、「授乳室は奥がいいのでは」、「お祈り部屋が必要」等話し合いながら、協力して知恵を絞っていました。
そこで意外な気付きがありました。
防災関係の用語には、カタカナ語が結構あります。
皆さんは、外来語はカタカナで書くことが多いため、外国人にはカタカナ語が伝わりやすいと考えていませんか。
実は逆で、カタカナ語を理解しづらい外国人が多いそうです。
外来語と言っても、英語由来、スペイン語由来、フランス語由来など様々です。
それが日本語で発音されると、元の言葉が思い浮かばなかったり、その意味が分からなかったりします。
また、そもそも、元の言語の意味とカタカナ語では意味が異なっていたり、外国語同士を混ぜ合わせた造語もあるからです。
講義の最後に、講師の小口氏が、ある留学生アンケートで、半数以上が「心配なときに相談できる日本人はいない」と回答していたことを紹介されました。
「日本語を母語としない人は情報弱者となり緊急時に孤立しがちなので、ぜひ日頃から声の掛け合いを」と話されていたことが印象的でした。
また、講座に参加した日本人参加者からは、「外国人にとっては、普段日本人同士で使っている日本語ではコミュニケーションが難しいので、『やさしい日本語』が重要であることを実感した」、「『やさしい日本語』は心掛けて使わないと、ついつい普通の日本語に戻ってしまうが、講座を通して練習できた」といった感想がありました。
(国際市民交流課)