留学生による平和フォーラム
広島市留学生会館では、今年度の平和フォーラムを2回シリーズで行い、7月24日(土)に広島原爆養護ホームむつみ園を慰問(いもん)し、8月6日(金)に平和記念式典に参列しました。
  広島原爆養護ホームへの慰問は今回が初めてでした。 慰問の前には留学生会館の居住者や、会館を利用されている一般の方々、そして職員が折り鶴を折り、当日、留学生代表が養護ホーム居住者代表の方に贈呈しました。
  初めに、インドネシアからの留学生が「皆さまの体験をお聞きする貴重な機会に感謝し、平和について一緒に考えたい」と挨拶しました。 その後、留学生達はグループに分かれ、証言者の方から貴重な体験をお聞きしました。
  どの方も一言一言に心をこめてお話してくださいました。 留学生達は時には涙を浮かべ、メモをとり、質問をしながら熱心に体験談に聞きいっていました。 むつみ園から見る青葉の美しい夏の景色からは想像も出来ない恐ろしい原爆の破壊力と、証言者の方が失ったものの大きさに、ショックを受けた留学生もいました。 同時に留学生にとっては、廃墟の中から復興のために力を尽くしてこられた証言者の方の心の強さに感動し、自分たちが平和な世界をつくっていくという意思と行動を継承していくことを自覚した貴重な機会になりました。
  体験をお聞きした後には、グループごとに用意しておいたボードにメッセージを書いて、記念写真をとりました。 証言者の方も留学生に「日本との平和の()け橋になってください」と声を掛けていらっしゃいました。
被爆体験証言に聞きいる留学生たち
今年の平和記念式典は戦後65年の節目にあたり、潘 基文(パン ギムン)国連事務総長のご参加もあり、留学生達にとって大変関心の高い有意義な体験になりました。 当日は暑い中、早朝の集合にも関わらず、遅刻する者もなく式典会場に到着し、会場の(おごそ)かな雰囲気と年配の参加者の祈るお姿を見て、少し緊張した面持ちでした。
  一連の平和学習を通して、留学生達は広島に留学してきた意義を改めて自覚し、今なお苦しんでおられる方々と接することにより、戦争がもたらした計り知れない恐ろしさや悲しみを身近に感じました。 そして、平和な世界を実現するために自分達が今、共に出来ることは何なのか、母国でできることはないかを考える重要な体験学習になりました。
  今後とも、留学生達には、広島で勉強しているという特別な意味を自覚してもらい、平和への貢献を考えるきっかけをつくってもらうために、平和フォーラムを継続していきたいと考えています。

(広島市留学生会館)

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