“ヒロシマの心”を発信する人々
戦争も核兵器もない平和な世界をめざして
―市民の力で核兵器廃絶を!―

〜広島県生活協同組合連合会 平和への取組み〜

平和市長会議が2007年に開始したCANT(都市を攻撃目標にするな)市民署名活動では、 世界中から集まった署名のうち、2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議までに国連に提出されたものは102万筆を数え、 現在はニューヨークの国連本部に常設展示されています。
  今回は、市民署名活動の大きな推進力となっている広島県生活協同組合連合会(県生協連)の取組みをご紹介します。 専務理事の岡村信秀(おかむら のぶひで)さんにお話を伺いました。

署名活動に取組むきっかけについて教えて下さい。
私たちは35年前から市民6団体(2つの県原爆被害者団体協議会、県地域女性団体連絡協議会、県宗教者NGO協議会(広島YMCA)、県青年連合会、県生協連)で協力・連携し、市民平和行進等の平和への取組みを行ってきました。
  平和市長会議提唱の「2020ビジョン」(核兵器廃絶のための緊急行動)には県生協連としては当初から賛同し、全国の生協へ呼びかけ全面的にバックアップしてきました。 署名は前回の再検討会議後も集まり続け、県生協連の2011年度中間集約は141,049筆となり、 昨年の「市民の集い」で松井一實(かずみ)広島市長(平和市長会議会長)に提出しました。
  これは大変な数ですが、署名活動の素晴らしい点は、活動中に人から人へと話が伝わっていく点です。 署名活動を行う中で、誰もが署名の意味や活動内容について学習したり、家族や友人と何らかの話をするでしょう。 おそらく、署名の数の何倍もの人たちに、核兵器廃絶を目指す活動の話が伝わったと思います。
県生協連の2011年度CANT署名中間集約を松井広島市長に提出。 (前列右から松井・広島市長、富田(とみた)・県生協連会長理事、上田(うえだ)・県生協連理事(生協ひろしま理事))
  そして、話を聞いた人は何かを感じ、考えたはずです。 そこから市民一人一人が、 平和の問題を自分の問題として考える意識が育っていくのではないでしょうか。

現在の署名活動について教えて下さい。
私たちは現在、平和市長会議の第2段の市民署名活動「核兵器禁止条約の早期実現を求める市民署名」に取組んでいます。 2020年までに全ての核兵器を廃絶するためには、2015年のNPT再検討会議が重要となるでしょう。 それまでに核兵器廃絶を求める市民の声を全国で200万筆まで積み上げ、国連に提出することを目指しています。
  国家間の条約に関することですから市民は再検討会議には参加できませんが、 次回の会議では、世界で唯一の被爆国である日本政府が、市民の声をしっかりと受け止め、核兵器廃絶へのリーダーシップを取っていただきたいと思います。

「市民の集い」について教えて下さい。
『「戦争も核兵器もない平和な世界を」市民の集い』は私たちが現在最も力を入れている取組みの1つです。 これは、市民の側からアプローチして、平和市長会議加盟自治体同士の連携を強化してもらい、平和行政を盛り上げていこうとするもので、広島では第1回を昨年10月28日に開催しました。
シンポジウム「戦争も核兵器もない平和な未来を子どもたちに残すために」 (壇上左から、岡村・県生協連専務理事(司会)、リーパー・広島平和文化センター理事長、 坪井(つぼい)・県被団協理事長、 金子(かねこ)・県被団協理事長、 木原(きはら)・IPRAY副理事長、 川本(かわもと)・県生協連理事(シンポジスト)
  広島県内の自治体は100%平和市長会議に加盟しています。 (前述の)市民6団体が実行委員会を作り、県内全ての自治体に「市民の集い」への参加を呼び掛けました。 そして、松井一實広島市長、三村裕史(みむら ひろし)熊野(くまの)町長が参加され、 その他4市4町から代理出席をいただき、5市長2町長からメッセージをいただきました。
  松井市長からは平和市長会議報告が行われ、 また、シンポジウム「戦争も核兵器もない平和な未来を子どもたちに残すために」の中では、5人のパネリストの他に、会場の三村熊野町長からもご発言いただきました。 そして最後に「集会アピール」を採択して閉会しました。
  こういった「集い」は最初に山口県で開かれました。 2009年から毎年、被爆者団体や生協の主催で「やまぐちピースフォーラム」が開催されており、多くの自治体首長にご出席いただいています。
  昨年はその他にも、神奈川県で「ずし平和デー」が開催されました。 滋賀県では「草津(くさつ)市平和祈念フォーラム」が開催されました。 また奈良県では「ピースアクション in なら」が開催され、秋葉忠利(あきば ただとし)前広島市長の講演も行われました。 広島では今年5月に第2回の「市民の集い」を開催します。
  各地の「集い」は、市民が主体となって開催され、次はどこで開催、といったスケジュールが組まれているわけではありません。 この流れを全国に広げ、市民一人一人が、自分の平和への訴えが行政に反映され、最終的には世界に届くのだという見方をもっていただきたいと思います。 いずれにしても、今もっとも大切なことは思想信条の違いを超え、力を寄せ合うことだと思います。
  2012年は国連が定めた国際協同組合年です。 県生協連では市民6団体との連帯を土台に全国の生協との連携を一層強化し、国際協同組合年にふさわしい平和への取組みを進めていきたいと考えています。

今日はどうもありがとうございました。

(平成24年2月8日取材)
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