小溝事務総長が平和首長会議加盟都市との連携強化等のためロシア・スイスを訪問
 小溝(こみぞ)泰義(やすよし)平和首長会議事務総長(本財団理事長)が、昨年10月14日から10月21日までの日程で、ロシア・ボルゴグラード市とスイス・ジュネーブ市を訪問し、ロシア国内における平和首長会議行動計画に沿った活動の推進について協議を行うとともに、ジュネーブ市で核軍縮に携わる要人と面会し、核兵器禁止条約の早期締結に向けて、平和首長会議加盟都市や関係団体との連携について意見交換を行いました。

ボルゴグラード州立大学訪問(ロシア)
 小溝事務総長はボルゴグラード州立大学を訪問し、被爆の実相や被爆者の核廃絶への願いを若い世代へ伝える「広島・長崎講座」を開設していただきたいと、タラカノフ学長へ紹介しました。 学長は、「当大学は歴史を記憶に留め、次世代へつなぐ授業を大切にしている」と述べ、検討に前向きの姿勢を示しました。
ボルゴグラード市長との面会(ロシア)
 平和首長会議の副会長都市であり、ロシアのリーダー都市でもあるボルゴグラード市のコソラポフ市長を訪ね、今後も核廃絶を目標にお互いに協力していきたいと伝えました。 また、ロシアにおいて新しい加盟都市を増やすための協力を依頼しまし、最後に、市長へ千羽鶴を手渡しました。

ジュネーブ市外交部長との面会(スイス)
 平和首長会議の加盟都市であるジュネーブ市のベルナール外交部長を訪ね、今後より一層、平和首長会議の取組を推進していただくよう要望しました。

国連軍縮研究所(UNIDIR)研究員との面会(スイス)
 軍縮・不拡散に関する多様なデータや研究成果を提供するUNIDIRを訪問し、平和首長会議の取組を紹介するとともに関係強化を要請しました。

コソラポフ ボルゴグラード市長との面会
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長との面会(スイス)
 小溝事務総長は、ノーベル平和賞を受賞したICANのフィン事務局長を訪ね、今回の受賞に対する松井(まつい)広島市長からのお祝いのメッセージと千羽鶴を手渡しました。
 その後の協議の中で小溝事務総長は、次のステップとして、対話によって相互不信を払拭するための行動を続けていくことの重要性を訴えました。
 フィン事務局長は、核兵器禁止条約採択後の新たな取組を構想中であり、また、現在のリスクに満ちた状況や市民社会による取組を、一般の人々にわかりやすく伝えていきたいと述べました。

赤十字国際委員会(ICRC)武力関連法務部長との面会(スイス)
 この面会で、ローワン武力関連法務部長は、「核兵器禁止条約採択後の優先事項は、核保有国等との対話を通して、核兵器が使用されるリスクを減らしていくことである」と述べました。
 小溝事務総長は、「核軍縮の実質的な進展のために賢人会議等の機会を積極的に活用していきたい」と伝えました。

国連欧州本部長との面会(スイス)
 小溝事務総長は、平和首長会議のリーダー都市がテロ、難民といったそれぞれの地域の諸問題に取り組みながら、包括的に危機に対応していくことを、国連のモラー欧州本部長に伝えました。
 モラー欧州本部長は、核兵器禁止条約の採択やICANのノーベル平和賞受賞が流れを変える機会になると指摘し、平和首長会議の役割はより重要になっていくだろうと述べました。

コスタリカ駐ジュネーブ国際機関代表部大使との面会(スイス)
 この面会で、コスタリカのホワイト大使は、「若い世代に対しては、被爆者の願いを伝えるための平和教育に加え、核兵器そのものに関する教育が重要である」と述べました。
 小溝事務総長は、「2020年までに核兵器廃絶を軌道に乗せ、高齢化が進む被爆者に自信と安心を与えたい」と、決意を述べました。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)高等弁務官補との面会(スイス)
 小溝事務総長は、平和首長会議行動計画では、「核兵器のない世界の実現」に加えて「安全で活力のある都市の実現」という新しい目標を掲げ、難民問題も扱うことになったことをUNHCRのターク高等弁務官補に報告しました。
 ターク高等弁務官補は、大規模な難民危機が生じた際に、UNHCRが平和首長会議の持つネットワークを活かすことが重要だと述べました。

出張を通して
 ボルゴグラード市への訪問では、第二次世界大戦におけるロシア最大の激戦地という歴史的背景を持つ同市は平和への意識が強く、リーダー都市として高い志を持って取り組んでいることを確認できました。
 ジュネーブ市での各要人との面会は、「国際的な平和研究機関との連携強化」や「平和関係の国際組織やNGO等とのネットワークの構築」に(つな)がる貴重な機会となりました。 また、ICANのフィン事務局長とコスタリカのホワイト大使との面会では、核兵器禁止条約採択後の取組について実り多い意見交換ができました。

(平和連帯推進課)

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