広島国際会議場国際交流ラウンジを会場に、JICA中国との共催で、平成29度JICAサロンを開催しました。
10月1日、今年度第2回目のJICAサロン「余熱の会~シニア海外ボランティア@ブータン~」では、シニア海外ボランティアとして2015年から2年間、ブータンにて地方農村部の生活改善などに取り組まれた亀井且博
(かめい かつひろ)さんにお話を伺いました。
「余熱の会~シニア海外ボランティア@ブータン~」より
ブータンは、数年前に国王夫妻が来日されるなど、日本とも親交が深い国です。
そしてブータンといえば、物質的な豊かさよりも精神的な豊かさや自然の大切さを第一と捉え、「国民の幸福」の実現を目指す「GNH(国民総幸福量)」が有名です。
しかし一方で、急速な近代化も進んでおり、従来の政策といかにバランスを取りながら発展していくかが、今後のブータンの課題でもあると、亀井さんは説明されました。
また、ブータンの観光や日常の様子など、実際に滞在したからこそ伝えられる生きた情報を、分かりやすく紹介してくださいました。
12月17日開催の第3回目では「東ティモールってどんな国?~青年海外協力隊が語る派遣国の魅力~」と題して、2015年から2年間、青年海外協力隊として東ティモールでコミュニティ開発に取り組まれた川本隼也
(かわもと じゅんや)さんが、東ティモールのことやご自身の体験談を語ってくださいました。
「東ティモールってどんな国? ~青年海外協力隊が語る派遣国の魅力~」より
東ティモールは、2002年に独立した若い国です。
当時メディアで頻繁に報道されていたこともあり、東ティモールといえば、独立紛争のイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、現在は政情が安定しており、東ティモールの人々は、長年の占領から解放され、決して豊かとは言えないけれど自分たちの力で自分たちの暮らしができることに喜びを感じているとのことです。
人々の明るさが印象的だったと、川本さんは仰っていました。
現在東ティモールで唯一の産業といえるのが、人口の4分の1が携わるコーヒー産業です。
コーヒーの栽培に適した気候で、豆の栽培から収穫、精製までのほとんどが手作業で行われており、品質の高い豆が生産されています。
川本さんは豆の生産過程をスライドで説明し、それを聞きながら参加者は東ティモール産のコーヒーを試飲しました。
ほかにも言語、宗教、教育事情や人々の日常の様子など、普段あまり耳にする機会がない東ティモールのことを、深く知る貴重な時間となりました。
JICAサロンでお二人の実際の体験に基づくお話を聞き、世界はまだまだ新しい発見と驚きに満ちているのだと感じました。
世界を知り、学ぶことのできる有意義な会でした。