「原爆の絵」が完成
―高校生たちが被爆体験を絵に描く―
本財団は、広島市立基町
(もとまち)
高等学校普通科創造表現コースの協力を得て、平成19年度から、本財団被爆体験証言者と同校生徒が共同し、証言者の記憶に残る被爆時の光景を描き、当時の状況を伝える「原爆の絵」の制作に取り組んでいます。
このたび、8人の証言者と10人の生徒が平成29年度から制作を進めていた10点の絵画が完成しました。
7月2日(月)に基町高等学校展示ギャラリーで行われた完成披露会には、8人の証言者と、絵を制作した生徒を始めとする創造表現コースの生徒のほか、本財団及び基町高等学校関係者が出席しました。
吹き出物の治療の様子を描いた生徒は、「絵の制作を通して、被爆から70年以上が経った今でも消えない傷跡から、原爆の恐ろしさを改めて感じることができた1年だった」と話してくれました。 また、生死も分からない人々を踏み分けながら避難する場面を描いた生徒は、ギャラリートーク(作品解説)で、「見たことも、想像したこともない、目を背けたくなるような光景をどう表現すれば良いか、どう描けば良いのか、模索し続けた。話を聴いて、それを理解するだけでなく、伝える立場にならなければならない、受け取るだけでなく、私達が次の世代に伝えていかなければならないという事に気付かされた」と制作の難しさと自らの思いを話してくれました。
完成した「原爆の絵」は、被爆体験をより深く理解してもらうため、証言者による被爆体験講話で活用するほか、絵の貸出や、画像データの提供なども行い、原爆被害の実相を後世に継承するために役立てています。
「閃光
(せんこう)
」
制作: 曽根沙也佳
(そね さやか)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、李鐘根
(イ ジョングン)
「被爆した馬」
制作: 桂木晋作
(かつらぎ しんさく)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、李鐘根
「お母ちゃーん!」
制作: 中川雛
(なかがわ ひいな)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、 岡田恵美子
(おかだ えみこ)
「私が初めて見た
被爆者」
制作: 岩本依蕗
(いわもと いぶき)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、岡田恵美子
「吹き出物の治療」
制作: 富士原芽依
(ふじわら めい)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、 笠岡貞江
(かさおか さだえ)
「道に転がる
屍
(しかばね)
」
制作: 門脇友春
(かどわき ともはる)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、河野キヨ美
(こうの きよみ)
「私は地獄に迷い込んだんじゃろうか」
制作: 宮本陽菜
(みやもと ひな)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、 篠田恵
(しのだ めぐみ)
「ヒロシマの最も長い夜(地獄の炎ときのこ雲の残塊
(ざんかい)
)」
制作: 河元愛香
(かわもと まなか)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、中西巖
(なかにし いわお)
「生死不明の人たちを踏み分けながら逃げる」
制作: 山土莉奈
(やまど りな)
(広島市立基町高等学校普通科創造表現コース)、 原田浩
(はらだ ひろし)
(平和記念資料館 啓発課)
Previous
Next
公益財団法人 広島平和文化センター
〒730-0811 広島市中区中島町1番2号
TEL (082) 241-5246
メールでのお問い合わせ
Copyright © Since April 1, 2004, Hiroshima Peace Culture Foundation. All rights reserved.