被爆体験伝承者と被爆体験記朗読ボランティアを海外に派遣しました
 昨年10月22日〜27日にフランスで被爆体験記朗読会を、11月3日〜7日にイギリスで被爆体験記朗読会と被爆体験伝承講話を実施しました。
 フランスでは、北部のノルマンディー地方の港町ルアーブルで被爆体験記朗読会を開催しました。 第二次世界大戦末期、ドイツ占領下のノルマンディーで、歴史上最大規模の上陸作戦(ノルマンディー上陸作戦)が敢行されました。 この時、ドイツ軍に対して行われた連合国軍の大空襲は、市民が暮らす街も破壊し尽くしました。
 今回、ルアーブル大学で、アジアの社会・経済を専攻する学生が中心となって開いたシンポジウムに招かれる形で、被爆体験記朗読ボランティアが朗読会を開催しました。 戦災と復興の歴史を持つ街だけあって、学生たちは平和や人権に大変関心が高く、朗読会にも企画段階から取り組んでくれました。 また、原爆詩の朗読や質疑応答に積極的に参加していました。
 また、朗読会に先立ち、ルアーブルから電車で2時間の所にあるカーン平和記念館及び同館で開催中の「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」を視察しました。 同館の常設展示は、第二次世界大戦やノルマンディー上陸作戦を中心に、20世紀の戦争や世界情勢を紹介しています。
黒い雨について説明している様子 (ルアーブル大学)
 イギリスでは、マンチェスター市とコベントリー市の2都市で、小学生や地元の核廃絶キャンペーンを
被爆体験伝承講話と朗読会を実施した小学校の児童と共に
(マンチェスター)
行うNGOに参加している学生などに向けて、3回の朗読会と被爆体験伝承者による講話を行いました。 イギリスでの開催には会場準備などに難しい点もありましたが、朗読ボランティアや伝承者は日本での活動経験を活かし、イギリスの人たちに「ヒロシマの心」を伝えようと、懸命に取り組んでいました。
 また、マンチェスター市と近郊のオールダム地区、コベントリー市の各首長への表敬訪問や、各市の平和行政の関係者などとの意見交換も行いました。 マンチェスター市長からは、市民との協働と多様性の実現に対する強い思いを伺いました。
 コベントリー市では、第二次世界大戦中に受け
たドイツ軍の大空襲の爪跡(つめあと)が無惨に残る旧大聖堂と、その横に1962年に建設された新大聖堂を見学し、痛ましい歴史とそこからの復興について学びました。

(原爆死没者追悼平和祈念館)

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