本財団では、広島市と共催で、市民が「平和の原点」としての「ヒロシマ」を見つめ直し、原爆や平和について考え、どのように行動すればよいかを探求する機会を提供するため、「ヒロシマ・ピースフォーラム」を開催しています。
本年度も広島市立大学の講座「広島からの平和学」と連携して、10月から1月までの間に全6回開催し、同大学の学生を含む約70人が受講しました。
同フォーラムでは、被爆体験証言の聴講や、国際協力、学術、市民社会など多角的に核兵器廃絶と世界恒久平和について考える講座を用意し、グループ討議と最終回での発表により、受講者自身で考え、活発な意見交換ができる内容としました。
第2回目には、現地学習として広島市現代美術館の企画展「丸木位里
(いり)・俊
(とし)《原爆の図を読む》」の鑑賞と、比治山
(ひじやま)(南区)の被爆建物である「多聞院
(たもんいん)」や「頼山陽
(らい さんよう)文徳殿
(ぶんとくでん)」などの史跡を巡りました。
受講者からは、「原爆被害や平和を考える良い機会となった」、「グループ討議では若い人たちの意見が聞けて新鮮だった」等の感想が寄せられました。
また、第5回目には、平和首長会議行動計画に掲げる「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名活動を推進するため、「若者が考えるこれからのヒロシマ」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションでは、県内外で活動している若者5人が日頃の活動や核兵器廃絶に向けた取組を発表し、世界恒久平和の実現に向けて自分たちにできることについて、コーディネーターの広島市立大学広島平和研究所の水本和実
(みずもと かずみ)副所長を交えて意見交換を行いました。
「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンリーダーの林田光弘
(はやしだ みつひろ)さんは、署名活動の目的や日頃の活動内容を紹介するとともに「核兵器廃絶を夢にしてはいけない」と呼び掛けました。
広島市立大学芸術学部2年の上本佳奈
(うえもと かな)さんは、所属する平和研究サークル「S2(Smile×Smile)」が行う碑めぐりガイドなどについて説明しました。
広島女学院中学高等学校・高校2年の庭田杏珠
(にわた あんじゅ)さんは、「記憶の解凍」プロジェクトの取り組みを通して被爆者の記憶を未来に継承していきたいと話しました。
盈進
(えいしん)中学高等学校・高校2年の前原未来
(まえはら みき)さんは、街頭署名活動や福島第一原発事故による被災者との交流などを紹介するとともに、核廃絶のための運動を仲間と共に地道に続けていきたいと話しました。
沖縄尚学
(しょうがく)高等学校2年の中川友希
(なかがわ ゆうき)さんは、「高校生平和集会 in 沖縄」の活動などを報告するとともに、沖縄で反基地運動を展開した阿波根昌鴻
(あはごん しょうこう)氏の行動を紹介し、歴史を学び、行動を起こすことの大切さを訴えました。
会場は約100人の来場者で満席となり、「若い世代の活動や考えを聞けたことは非常に貴重で刺激的だった」、「安心してバトンを渡すことができる」など多くの意見や感想が寄せられました。