和文機関紙「平和文化」No.209, 令和4年8月号
広島平和記念資料館

情報資料室内で11か国語版の「夕凪の街 桜の国」を展示

ロシア語の「夕凪の街 桜の国」
ロシア語の「夕凪の街 桜の国」
(©こうの史代/コアミックス)
 広島出身のマンガ家・こうの史代(ふみよ)さんの作品が海外でも高く評価されています。 2019年に大英博物館で開催された、海外最大規模の日本マンガ展で、こうのさんの描いた兎(うさぎ)のキャラクター「みみちゃん」が案内役を務め、人気を博しました。 また、被爆後10年を過ぎても原爆の後障害に苦しむ広島の若い被爆者を繊細なタッチで表現した「夕凪(ゆうなぎ)の町 桜の国」は、2004年の文化庁メディア芸術祭大賞、2005年の手塚治虫(てづか おさむ)文化賞新生賞を受賞しました。
 この度、こうのさんから7か国語版の「夕凪の街 桜の国」をご寄贈いただきました。 これまでの寄贈分と合わせて、世界各地で出版された11か国語版を平和記念資料館情報資料室で9月末まで展示中です。 一部の言語の本は手に取ってご覧いただけます。
 海外の書店に並ぶこのマンガが、ヒロシマの原爆被害を若い読者に伝えるきっかけを作っています。 今年6月末にはロシアのプーチン大統領が核兵器を搭載可能なミサイルのベラルーシへの提供を表明するなど、核兵器使用のリスクが高まる現在、核保有国の使用言語である英語、フランス語、ヒンディー語、ロシア語に翻訳されたマンガが、こうした国々の人にも、ヒロシマの思いに共感する輪を広げてくれるのではないでしょうか。
(平和記念資料館 学芸課)
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