エッツォン・エウセビオ・ペッチ・チャンさん (メキシコ)
留学中だった妻とメキシコで出会い、妻の故郷の広島に移住してきてもうすぐ1年になります。
出産のため先に広島に戻った妻を追いかけて、すぐに僕も日本に来る予定でしたが、コロナ禍が始まりました。
日本入国までは本当に大変でした。
メキシコではコロナ禍で役所が業務を停止しており、入国に必要な書類を準備しようにも、手続きが進みませんでした。
また、入国時には72時間以内の陰性証明書を提出しますが、日本基準の細かい決まりや様式、押印などを満たした証明書をメキシコの病院に作成してもらうのも大変で、本当に入国できるのか不安の中で過ごしていました。
さて、メキシコについて紹介します。
メキシコには32の県があり、それぞれの音楽、歌、ダンスなどの文化が少しずつ異なります。
メキシコは様々な人が暮らすダイバーシティ(多様性)の国ですが、チリペッパーが好きなのは共通かもしれません。
いろんな料理にチリペッパーをかけます。
例えばデザートのフルーツにも!
僕が生まれ育ったのはユカタン半島です。
東はカリブ海、西はメキシコ湾に面したきれいな場所です。
17世紀に滅亡するまでマヤ王国が栄え、二十進法、精密な暦法、絵文字などの高度な文明を持ちました。
ピラミッド状のマヤの神殿は世界遺産となっており、多くの人が訪れます。
豚肉に香辛料をまぶし、バナナの葉で包んで熱した土の中で蒸し焼きにした「コチニータ・ピビル」という伝統料理が名物で、メキシコ全土で愛されるトルティーヤ(薄焼きのパン)に包むなどして食べます。
現在僕は1歳半の子供の子育ての真最中です。
最近ママ友も出来て、日本の育児を垣間見る機会もあります。
日本では小さな頃からダメなことはダメとしっかり躾
(しつ)ける印象ですが、メキシコの子育てはもっとおおらかで、公共交通で子どもが大きな声を出したり泣いたりしても、気にする人はいません。
また、メキシコでも以前は男性の労働時間が長く、専業主婦の女性も多かったのですが、現在は男女格差がかなり縮まってきたと感じます。
僕は日本では未だ珍しい主夫ですが、子どもの成長をそばで見られるこの仕事はとても感動的で素晴らしいと日々感じています。
(国際市民交流課)