中村 園実(なかむら そのみ)
私が原爆について伝える活動を始めたきっかけは、広島平和文化センターの「中・高校生ピースクラブ」に参加したことです。
当時の私は、小学校の時に見学した広島平和記念資料館が「怖い」という印象を強く持っており、そのことについて考えることを敬遠するようになっていました。
参加を渋る私に対して、当時から親友だった岩本
(いわもと)さんが半ば強制的に応募し、参加するに至りました。
そこで学んだのは、亡くなった人数の多さに留まらない原爆の本当の恐ろしさでした。
当時亡くなった方々にも、今の私たちと同様に生活や未来があったことに気づかされ、それを一瞬にして奪った原爆の恐ろしさを改めて知りました。
中学・高校在学中の6年間、ピースクラブなどで被爆の実相を学び、平和への想いを発信するために様々な活動を経験した私たちは、卒業後も学んだことを伝えていきたいと強く思いました。
そこで取り組んだのが被爆ピアノコンサートです。
音楽にのせて、原爆や平和に関心がない人に対してもアプローチできると考えたからです。
クラウドファンディングで資金調達をし、コンサートを開催した結果、支援者や来場者から多くの温かい感想をいただき、活動を続けることへの原動力を得ました。
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被爆ピアノコンサートの最後を飾った合唱 |
Peace Night Hiroshima2020開催に向けた 準備の様子 |
また、大学4年生の時には、「Peace Night Hiroshima 2020」を企画し、公募した実行委員とともに、夜の平和記念公園から広島の若者の平和への想いを発信するイベントを実現しました。
これらの経験から、様々な場所で活動報告をする機会を得ました。
そこでは、同じように活動する若者との出会いがありました。
現在は、同じ目標を持つ広島・長崎の若者を繋
(つな)ぎ、交流し、協働するする機会を作ることに努めています。
Peace Night Hiroshima2020開催に向けた準備の様子
今年8月6日で被爆から77年が経過し、被爆者の方々の高齢化は進んでいます。
そのような中で、私たちは被爆者の方々の声を生で聴くことができる貴重な世代です。
そして私たちは、その声をより若い世代に繋いでいく使命があると思っています。
より多くの人に、広島で起こったことを伝え、原爆や平和について考えるきっかけを作る、そうした活動をこれからも続けていきたいと思います。
(平和市民連帯課)