和文機関紙「平和文化」No.209, 令和4年8月号

ヒロシマ・ピースフォーラム(前期)を開催しました

 本財団では、市民に平和の原点としてのヒロシマを見つめ直し、原爆や平和について考え、どのように行動していけばよいかを探求する機会を提供するため、「ヒロシマ・ピースフォーラム」を開催しています。 昨年度までは、通年で全6回の連続講座として開催していましたが、今年度から前期と後期の各3回に分けて実施しています。
 前期は、広島市立大学の講座「広島からの平和学」と連携して、5月から7月にかけて、同大学の学生を含む10代から70歳を超える方まで、幅広い年代の75名が受講しました。
 第1回では、受講者は今年3月に開館した被爆遺構展示館に関連した被爆遺構の保存と展示に関する講義「被爆建物・被爆遺構の保存を通した被爆体験の継承」及び被爆当時に東南アジアから日本に留学していた南方特別留学生に関する講義「南方特別留学生を語る:ユソフさんとオマールさんのStory」を聴講し、新たな視点からの被爆体験の継承に関する理解を深めました。
 第2回は、「広島城と陸軍」と題して、陸軍の組織に関する講義及び広島城周辺に残る陸軍関連の遺構を巡るフィールドワークを実施し、原爆が投下された当時の軍都広島について学びました。
陸軍の遺構を巡るフィールドワーク
陸軍の遺構を巡るフィールドワーク
 最終回では、原爆投下後の広島における復興に焦点を当てた講義「ヒロシマと復興」、及び原爆投下を巡る歴史解釈に関する講義「日本に対する原子爆弾の使用を巡る神話と解釈」を聴講し、受講者は様々な立場の市民の視点から捉えた被爆からの復興や、原爆投下をめぐる歴史解釈の違いについて学びました。
 受講者からは、「広島に住む者として大切なことを学べる場でありがたく思った。少しでも平和を発信していきたい」、「あまり見てこなかった視点からの話を興味深く聞くことができた」、「住み慣れた街で訪れたことのある場所でも説明を聞きながら歩くと、広島の歴史を思い起こすことができ、改めて平和の大切さを感じた」などの感想が寄せられ、受講者の平和意識の高揚を図ることができました。
 後期のヒロシマ・ピースフォーラムは、10月に開講する予定です。
(平和市民連帯課)
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