和文機関紙「平和文化」No.210, 令和4年10月号

高校生が描いたヒロシマ「原爆の絵画展」

 8月7日(日)から8月19日(金)まで、広島国際会議場地下2階ダリアにおいて、高校生が描いたヒロシマ「原爆の絵画展」を開催しました。 今回は、今年7月に完成した11点を含む約60点の絵を展示しました。
 期間中は、毎日多くの方が来場し、当時の惨状が克明に描かれた絵を真剣な表情で見ていました。 特に8月11日に開催したギャラリートークでは、用意していた席がほぼ満席になるほど盛況で、今年新作の絵を制作した同校3年生の寺西栞理(てらにし しおり)さんと山口伶(やまぐち れい)さんが、多くの来場者やマスコミの前で発表しました。
ギャラリートークの様子
ギャラリートークの様子
 寺西さんは、被爆者の瀧口秀隆(たきぐち ひでたか)さんの証言を聞いて「爆風で吹き飛ばされて」を描きました。 ギャラリートークでは「この活動を通して様々な学校の人たちと交流し、朗読や紙芝居などを使って戦争を伝えている人々に出会うことができました。私も自分の得意な分野で平和の大切さを伝え続けていきたいです」と話していました。
 山口さんは、被爆者の切明千枝子(きりあけ ちえこ)さんから聞いた話を基に「つまずいたのは炭化した幼児だった」を制作しました。 「人が炭化して亡くなったということに驚き、戦争の悲惨さをあらためて知りました。また、この原爆の絵が、自分のような戦争を知らない世代の人たちにも平和や戦争について考えるきっかけになってくれると嬉しいです」と話していました。
 このギャラリートークを終えて二人は、「公の場で作品を見てもらうのは初めてなので、どのように受け取られるか不安で緊張しましたが、幅広い年齢層、海外の人にも真剣に聞いてもらい、自信がつきました」「証言者と共に絵を制作した経験を語る機会を与えて頂き感謝しています。トーク後、多くの人と話をして人によって原爆に対する感じ方が違うことが分かったので、他の人の考え方を知る貴重な機会になりました」と感想を述べていました。
 この絵画展は、広島国際会議場の自主事業として毎年開催していますが、今回も毎日来場してくれた人がいたり、この素晴らしい絵をより多くの人たちに見てもらうためにもっと広く広報してほしいとの意見をいただくなど反響も大きく、今後も開催していきます。
(国際会議場)
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