和文機関紙「平和文化」No.210, 令和4年10月号

世界の人たちと一緒に「友禅染ワークショップ」を開催

 8月28日に宇品(うじな)公民館で「世界の人たちと一緒に友禅染ワークショップ」を開催しました。 参加したのは、ベトナム、フィリピン、ウクライナ、中国、イラン出身者と日本人、計27名です。 昨今、様々な場所で出会う外国人市民ですが、広島市の外国人市民は約2万人と、中区在住の未成年の数に相当します。 彼らと交流したいと思いながらも、どうしたらいいのかわからないという日本人や、言葉の壁で日本人と関わることが難しいという外国人市民は多いのではないでしょうか。 そんな方たちのために、互いの歩み寄りのきっかけづくりとして開催した、日本文化の体験を通して交流できるイベントです。
フィリピン人・日本人参加者と講師
フィリピン人・日本人参加者と講師
 
ウクライナ人親子と日本人親子
ウクライナ人親子と日本人親子
 講師に、友禅染体験教室などを運営し、日頃から特別支援学校などでも活動しておられる山内惠子(やまうち けいこ)さんをお迎えし、友禅染の中でも初心者が簡単にできる型染めという方法で、トートバッグを染色しました。 1つの作品に集中して取り組む人や、何個も型を使い手早く完成させていく人、各自が思い思いに好きな色を筆で乗せていき、素敵な作品が出来上がりました。
 このイベントの醍醐味は、友禅染を楽しく作成しながら外国人と日本人が交流できることです。 各テーブルで一緒になった参加者の言語を互いに教え合い、教わった言語で自己紹介をしました。 日本人も、新しい言語を学ぶ難しさを体感したことで、外国人が日本語を学ぶ苦労を少し感じる事ができたようです。 初対面で、言葉の壁もある中、思うようなコミュニケーションがとれないと感じた参加者もいたかもしれません。 特に最初は、作業に夢中になり、中々会話が続かない様子でしたが、慣れてくると言葉を交わす場面も増えました。 友禅染に使われる色や模様の話、また、親子での参加が多かったこともあり、子どもの話をする様子も見受けられ、それぞれに交流を楽しんでいました。
 2時間と短い時間の中でできる交流は限られていますが、この講座内のやり取りから、少しでも互いに学びがあったのではないかと思います。 このイベントをきっかけに、これからも共に温かな関係を築き合い、助け合いながら生活ができるようになればと願っています。
(国際市民交流課)
公益財団法人 広島平和文化センター
〒730-0811 広島市中区中島町1番2号
 TEL (082)241-5246 
Copyright © Since April 1, 2004, Hiroshima Peace Culture Foundation. All rights reserved.