広島平和記念資料館では約5,000枚の「市民が描いた原爆の絵」を所蔵しています。
資料館本館「絵筆に込めて」のコーナーでは、その原画を展示しており、展示による劣化を防ぎ長期的に保存していくため、半年ごとにテーマを決めて入れ替えを行っています。
今回は、全焼全壊地域(爆心地から2km以内)をわずかに外れた御幸橋
(みゆきばし)の、被爆当日を描いた絵を展示しています。
①の絵には、猛火の広島市街地から御幸橋を渡って避難する人の様子が描かれており、絵の中に作者の松島圭次郎
(まつしま けいじろう)さん自身も描かれています。
① 御幸橋を渡って避難する。
(昭和20年(1945年)8月6日/松島圭次郎作)
②の絵は8月6日午後6時ごろの様子を描いたもので、道路や京橋川
(きょうばしがわ)水面に見える人や馬の死体や、夕方になっても赤く燃えている広島市街地が描かれています。
どちらの絵にも、全身が焼け、前に突き出した手から皮膚が垂れ下がっている姿が描かれています。
② 御幸橋東詰から西に向けての惨状
(昭和20年(1945年)8月6日/岡田佐美子(おかだ さみこ)作)
これらの絵を含めた6点を、令和5年9月まで展示する予定です。
(平和記念資料館 学芸課)