和文機関紙「平和文化」No.211, 令和5年3月号

平和文化月間に様々なイベントを開催しました!

平和文化月間ロゴ
 広島市が「平和文化月間」と定めた11月には、平和への思いの共有につながる「文化」を振興する様々なイベントが開催されました。 今年度は、広島広域都市圏にも取組の輪を広げ、イベントを巡ることで地域の名産品などが当たるデジタルスタンプラリーも実施しました。 期間中の様々なイベントに多くの方々が参加され、芸術文化活動やスポーツなどを通して、改めて平和について考えていただくことができました。
 ここでは本財団が主催したイベントを御紹介します。
 
平和文化講演会 【10/29(土)】
 平和文化月間オープニングイベントとして、俳優の紺野美沙子(こんの みさこ)さんをお迎えして平和文化講演会を開催しました。 俳優としてテレビ、映画、舞台で活躍され、バラエティ番組にも度々出演し、飾らないトークで人気の紺野さんは、1998年から国連開発計画(UNDP)親善大使としてカンボジア、パレスチナのほか、アジア・アフリカの各国を視察するなど、国際協力の分野でも活動されています。
講演する紺野美沙子さん
講演する紺野美沙子さん
 この度の講演会では、「UNDP親善大使として見たこと感じたこと」をテーマに、貧困や困難があっても前向きに生きる人たちの様子などについてお話しいただくとともに、2010年から主宰されている「紺野美沙子の朗読座」の新作である、広島の原爆でわが子を亡くした父母らの手記「星は見ている」の朗読を小川典(おがわ ただし)監督によるオリジナル映像とともに上演いただきました。
 来場者からは、「発展途上国の現状を知り、真の幸せについて考えさせられた」「自分にできることを何かすることが大切だと感じた」「感情豊かな朗読と美しい映像に感動した」などの感想が寄せられました。 特に、原爆でわが子を亡くした父母らの思いを込めた朗読は多くの方の胸に響き、会場は平和への思いに包まれ、来場者にとって、それぞれが改めて日常の中の平和について考える機会となりました。
 
市民平和文化イベント【11/3(木・祝)】
 広島国際会議場の大会議室ダリアで「令和5年度市民平和文化イベント ~ヒロシマの 思いをつなごう 文化の日~」を開催しました。 広島で平和活動に取り組む若い世代を中心とした団体が、ステージ発表や展示発表を行い、日頃の活動や平和への思いを発信しました。
 オープニングでは、松井一實(まつい かずみ)広島市長から「本日のような音楽や演劇などの芸術文化活動や、平和に関する展示発表を通じて「平和文化」を根付かせていきたいと考えており、このように多くの市民の皆様に御参加いただいていることをたいへん嬉(うれ)しく思います」との挨拶がありました。
<ステージ発表>
 ステージ発表では、若い世代を中心とした5団体が、平和への思いが込められた楽曲の演奏や合唱、打楽器のアンサンブルのコンサート、被服支廠(ししょう)を舞台とした紙芝居、平和創作劇の上演を行いました。 平和をテーマにしたこれらの発表は、多くの来場者への共感を集め、平和の大切さや尊さを共有する機会となりました。
【発表団体】
・ジュニアウインドオーケストラ広島
・ヒロシマ・ヤング・ピース・ビルダーズ
・千田パンフルート合唱隊
・長束ブラスアンサンブル
・平和創作劇 I PRAY
ヒロシマ・ヤング・ピース・ビルダーズによる発表の様子
ヒロシマ・ヤング・ピース・ビルダーズによる発表の様子
<展示発表>
 展示発表の会場では、高校生や大学生など7団体が、銅板折り鶴製作の体験ワークショップの開催、映像やパネル等による各団体の平和への取組、広く市民等から寄せられた平和へのメッセージの展示など、様々な方法で発表を行いました。
【発表団体】
・広島市立広島工業高等学校 平和の板金術師
・広島市立広島商業高等学校
・ヒロシマ・ヤング・ピース・ビルダーズ
・JICA中国
・「原爆ドームとヒロシマ」実行委員会
・(一財)お好み焼アカデミー
・広島サミット県民会議
銅板の折り鶴製作体験に取り組む来場者たち
銅板の折り鶴製作体験に取り組む来場者たち
 約400人を数えた来場者は、ステージ発表の鑑賞、展示コーナーでの発表者との交流・情報交換や平和へのメッセージの発信などを行いました。 発表時間の終了間際になっても、展示コーナーでは、熱心に発表者の説明に耳を傾ける来場者の姿が見られるなど、発表者と来場者がともに「平和文化」を体験した文化の日となりました。
 
「ポップカルチャーひろしま2022」に平和文化コーナーを出展【11/5(土)】
 アニメ、漫画、コスプレなどの若者文化「ポップカルチャー」の国際交流の場として紙屋町シャレオで行われたイベント「ポップカルチャーひろしま2022」に書道や折り鶴作成を体験できる平和文化コーナーを出展しました。
 広島の高校生たちが運営を行い、海外のコスプレイヤーなどのイベント参加者だけでなく、市内中心部を訪れる多くの方が、書道での平和のメッセージ作成や折り鶴作成を体験しました。
 平和文化コーナーで寄せられた平和のメッセージは、高校生たちが「Words for Peace」という作品に仕上げ、11月20日(日)に広島国際会議場で開催された「国際フェスタ2022」のメイン会場入り口付近に折り鶴とともに展示し、たくさんの来場者に平和への思いを届けることができました。
平和のメッセージ「Words for Peace」
平和のメッセージ「Words for Peace」
みんなで伝え合おう ヒロシマ・ナガサキ【11/12(土)】
 被爆者の方の高齢化が進む中、様々な世代が被爆体験をつないでいくことが大切であるとの思いから、日頃から広島で被爆体験記朗読の活動などを行っている様々な団体の有志が集い、被爆者の思いを伝える「みんなで伝え合おうヒロシマ・ナガサキ ~広島の会2022~」が本財団との共催の下、開催されました。
 会場では、被爆体験記や原爆詩の朗読、平和をテーマに県内の中学生や高校生が制作した映像の上映、楽曲の演奏などが行われました。
県内高校生による朗読「松重美人さんの体験記」
県内高校生による朗読「松重美人(まつしげ よしと)さんの体験記」
 およそ200人の来場とともに、オンライン配信でも約700人が視聴し、来場者からは、「高校生など幅広い年齢層の方々の発表を聴くことができてよかった」「多様な表現の発表を見ることができ、改めて平和を考える貴重な機会となった」などの感想が寄せられました。 ヒロシマ・ナガサキの被爆者の思いを共有し、平和への思いを新たにする機会となりました。
 
平和文化賞の受賞者が決定
 平和文化月間の取組の1つとして、広島市教育委員会が毎年実施している「青少年からのメッセージ」への応募作品のうち、日常生活の中で「平和」を願う気持ちが強く感じられる4作品を「平和文化賞」として表彰しました。
 「大人になるということ」をテーマに、理想とする大人の姿や自分がどのような行動をするべきかなどを作文や漫画・イラストで表現するものであり、どの作品も未来の平和につながる「平和文化」に相応しいものでした。 作品については、本財団ホームページを御覧ください。
「私が思う大人」
「私が思う大人」
作文部門 小学生の部
 広島市立志屋(しや)小学校 六年 佐伯 萌桃(さえき もも)
「広い心から笑顔へ」
作文部門 中学生の部
広島市立瀬野川(せのがわ)中学校 一年 池田 遥人(いけだ はると)
「『思いやりの心』を大切に」
作文部門 高校生・一般の部
広島県立広島皆実(みなみ)高等学校 三年 伊藤 そら(いとう そら)
「責任ある行動」
漫画・イラスト部門
広島市立牛田(うした)小学校 五年 糸原 凛(いとはら りん)
「私が思う大人」
「私が思う大人」
「私が思う大人」
(平和市民連帯課)
公益財団法人 広島平和文化センター
〒730-0811 広島市中区中島町1番2号
 TEL (082)241-5246 
Copyright © Since April 1, 2004, Hiroshima Peace Culture Foundation. All rights reserved.