広島平和記念資料館では、被爆者が当時の情景を思い出して描いた「市民が描いた原爆の絵」約 5,000 枚を所蔵しています。
本館「絵筆に込めて」のコーナーでは、その原画を展示しています。
劣化を防ぐため、半年ごとに入れ替えを行っており、現在は「心に焼きついて離れない命」をテーマにした作品を展示しています。
右の絵は、爆風で倒壊した校舎の下敷きになった男児をどうしても引き出せず、手を握り励ますことしかできなかった作者の加藤義典
(かとう よしのり)さんの実体験が描かれています。
猛火が迫る中、身を割かれる思いでその場を後にした加藤さんは、8月6日を迎えるたびにこの光景を思い出し、すまない気持ちと無念さで胸がつまる思いがしたそうです。
この絵を含めた6点を、来年2月12日(月)まで展示します。
助けてあげられなくてごめんなさい
(1945年8月6日10時30分頃/加藤義典作)
(平和記念資料館 学芸課)