本財団では、市民に、平和の原点としてのヒロシマを見つめ直し、原爆や平和について考え、どのように行動していけばよいかを探求する機会を提供するため、「ヒロシマ・
ピース
フォーラム」を開催しています。
今年度後期は、昨年10月から
12月にかけて
3回開催し、
10代の学生から
80歳を超える方まで、幅広い年代の約100名が受講しました。
10月21日の第1回では、被爆から復興に向かう広島を襲った「枕崎
(まくらざき)台風」を
テーマとして、江波山
(えばやま)気象館の
脇阪伯史(わきさか ひろし)主幹学芸員による枕崎台風の概要説明を行いました。
続いて、中国新聞社の
宮﨑智三(みやざき ともみつ)特別論説委員が「二重の惨禍~原爆と枕崎台
風~」と題して、戦争や原爆により台風被害が拡大したことや、被爆者が搬送されていた大野
(おおの)陸軍病院が被災し、被爆者だけでなく、同病院を拠点に原爆被害の調査を行っていた京都大学の調査班も被害を受けたことなどについて講演を行いました。
第1回 江波山気象館の脇阪伯史主幹学芸員による枕崎台風の概要説明の様子
11月25日の第2回は、平和文化月間の行事の
一環として、「若い世代による被爆体験の継承の取り組み」を
テーマとして、
一般参加者も募集し、公開プログラムとして実施しました。
広島市立
基町(もとまち)高等学校「原爆の絵」制作者の
3名が、それぞれが描いた絵に込められた被爆者の方の思いなどを紹介するとともに、広島出身で現在東京大学
4年生の
庭田杏珠(にわた あんじゅ)さんが、戦争体験者の記憶を基に、AIの技術を活用して被爆する前の広島の白黒写真をカ
ラー化する取組や、国内外での発信活動について講演を行いました。
第2回 広島市立基町高等学校「原爆の絵」制作者の皆さんによる作品紹介の様子
「東京大空襲による被害」を
テーマとした
12月23日の最終回では、東京大空襲・戦災資料センターの
小薗崇明(こぞの たかあき)研究員による概要説明に続いて、
8歳の時に東京大空襲に遭った
二瓶治代(にへい はるよ)さんが空襲体験の講話を行いました。
第3回 東京大空襲体験者 二瓶治代さんによる講話の様子
ヒロシマ・ピースフォーラム(後期)の全3回を通して、受講者からは、「戦争や原爆について知らなかったことが多く、学んだことが貴重な財産になった。」、「今後も広島以外の戦災都市について学び、視野を広げたい。」などの感想が寄せられており、受講者の平和に対する意識や学習意欲の向上につながる講座になりました。
(平和市民連帯課)