過去最多の120カ国・地域と欧州連合の出席の下、被爆者や遺族、全国自治体からの派遣者などおよそ5万5千人が参列しました。
松井一實
(まつい かずみ)広島市長による平和宣言では、「自国を守るためには、核兵器の保有もやむを得ない。」という考え方が強まりつつある中、「私たち市民は決してあきらめることなく、真に平和な世界の実現に向けて、核兵器廃絶への思いを市民社会の総意にしていかなければなりません。」と強く訴えました。
そしてそのために、若い世代には、核兵器は「自分たちの将来に非人道的な結末をもたらし得る課題であることを自覚し」、「市民社会の総意を形成するための活動を先導」することへの期待が示されました。
また、平和文化の振興の重要性にも触れ、「『平和文化』が国境を越えて広がっていけば、必ずや核抑止力に依存する為政者の政策転換を促すことになります。」と述べるとともに、為政者に対し、「広島を訪れ、被爆の実相を自ら確かめ」、「平和を願う『ヒロシマの心』を理解し、対話を通じた信頼関係に基づく安全保障体制の構築に向けた議論をすぐにでも開始すべきではないですか。」と訴えました。
さらに、日本政府に対して、核兵器禁止条約の第一回再検討会議にオブザーバー参加するよう求めました。
この後、石破茂
(いしば しげる)内閣総理大臣は、「核兵器のない世界の実現に向けて歩みを進める上で土台となるのは、被爆の実相に対する正確な理解」であるとされ、「世界の人々に被爆の実相を伝えていくことも、私たちの責務」であり、「政府として、世界各国の指導者や若者に対し、広島・長崎への訪問を呼びかけ、実現につなげていきます。」と述べられました。
また、「核戦争のない世界、そして核兵器のない世界の実現と恒久平和の実現に向けて力を尽くす」との誓いの言葉を述べられ、最後には、歌人・正田篠枝
(しょうだ しのえ)さんの歌「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さなあまたの骨 あつまれり」を読み、追悼の辞とされました。
また、湯崎英彦
(ゆざき ひでひこ)広島県知事は、フィクションである「核抑止」からの脱却を訴えられました。
(平和文化企画課)